同窓会報No.38

着任のごあいさつ 2021 年 第 38 号 TUT 同窓会報 21 2020 年 4 月に情報・知能工学系に着任しました、高橋茶子と申します。専門分野は情 報統計力学および統計的機械学習で、学位取得までは特に情報統計力学における近似 (複雑な計算を簡略化して計算時間を高速にする処理)についての研究に力を入れており ました。博士課程修了までは東北を出たことがなく、こちらに移ってからは自宅の周りの 陸地に平然と住んでいるたくさんのカニと、温暖湿潤な気候に驚いています。現在は新 型コロナウイルスの関係であまり出歩くことができませんが、おいしい食べ物や癒しの場 所を見つけてリフレッシュしつつ、研究に集中していければと思います。よろしくお願い いたします。 …と、2020 年 4 月の着任当時のさわやかな気持ちで書き終えたいところですが、この原稿を執筆させていただいてい る本日からちょうど一か月後の 2021 年 9 月末をもって、早くも技科大を離れることとなりました。情報セキュリティと機 械学習の融合分野である敵対的機械学習の研究を情報セキュリティ研究室の皆さんと始めることができたことは大変嬉し く、学生の皆さんから多くの刺激をいただきながら過ごすことができた楽しい一年半でした。新型コロナウイルスの影響 で大学の皆さんと直接お会いする機会がほとんどなく非常に寂しいところですが、学位取得後、社会人として右も左も分 からない状態の私を多くの場面で助けてくださった技科大の皆様に心から感謝いたします。 今後同窓会では退職教職員の一員としてお世話になることと思います。今後の技科大同窓会の皆様のご健康と、さらな るご活躍を祈っております。 情報・知能工学系 助教 高橋 茶子 2020 年 4 月に情報・知能工学系に助教として着任した和佐 州洋と申します。専門は理 論計算機科学で、特にグラフアルゴリズムに興味があります。「理論計算機科学」は位置 付けが難しく、数学から見ると完全なる応用ですし、一方、実社会から見ると完全なる理 論です。ただ、少なくとも何か他の分野と繋がっていることはわかります。得てして机上 の空論となりがちな「理論」ですが、”最初に試すこと”にアタリをつけられます。例えば、 コンピュータでプログラムを書くときに「まずは理論的に良さそうな手法を実装してから、 あとは実問題に合わせて調整していこう」というように役立ちます。では、実問題に合わ せて理論的な研究をしているかというと、そうでもなくて、基本的には研究者が「面白い」と思うテーマで研究を進めてい きます。そして、他分野の方々と対話を通して「それって理論的には○○○にあたるんじゃ…?」となると、理論が応用に おいて光ってくれます。理論的な研究それ自身も楽しいですが、実は知らず知らずのうちに下準備をしていて、そして、ふ としたきっかけで " 繋がり" を見つけられた時の楽しさもひとしおです。 最後に経歴を簡単にご紹介いたします。学位は 2016 年 3 月に北海道大学で取得し、その後、国立情報学研究所でポス ドクとして 4 年勤め、現在に至っております。生まれも育ちも北海道で、東京、愛知と徐々に南下しています。初雪の頃の あの香りを感じられないことに違和感がありましたが、北海道を離れて 6 年目、徐々に慣れてきました。発行は11月とのこ とですので、北国でこの文章を読まれておりましたらそろそろ雪の季節になりますね。どうぞご自愛くださいませ。 情報・知能工学系 助教 和佐 州洋

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