同窓会報No.38

10 2021 年 第 38 号 TUT 同窓会報 機能材料・構造システム研究室 トライボロジー研究グループの近況報告 新山 恭平 ジーに関した研究です。こちらは、高温雰囲気下での摩擦 に適した固体潤滑材料はどのような特性を持つのかという 点について研究を行っております。3 つ目はボールジョイン トのトライボロジーに関して、自動車部品メーカーとの共同 研究となっております。昨年度に引き続き、ボールジョイン トの性能向上を目的に、グリースの挙動に関する研究を行っ ております。4 つ目はフェノール樹脂複合材料のトライボロ ジーに関して、企業との共同研究を行っております。フェノー ル樹脂は最も古い合成樹脂材料でありながら、そのトライ ボケミカル反応については十分に研究が進んでおらず、各 種分析手法を駆使してこれに取り組んでいます。 今年度は、コロナに頭を悩まされる年となりました。従 前より本研究室の特徴として、数多くの実験や分析を行っ てきました。そのため、コロナ渦による影響により、計画し ていた実験や分析が急遽出来なくなることも多々ありまし たが、制限された中でも結果を出さなければならないとい う意識により、学生の対応能力は向上していった一年になっ たのではないかと思われます。 最後とはなりますが、“トライボロジー会議 2021 春 東京“にて学生奨励賞という大変名誉な賞を頂くことがで き、誠に光栄に存じます。本発表にあたり多大なるご尽力 とご協力を頂いた関係者の皆様には、この場を借りて深く 御礼申し上げます。誠にありがとうございました。 本学卒業生ならびに修了生の皆様におかれましては、ご 健勝のこととお慶び申し上げます。今年度の機能材料・構 造システム研究室 トライボロジー研究グループの近況に ついてご報告申し上げます。 2021年度 8 月現在、本研究室では、竹市 嘉紀准教授、 学生13 人(博士後期課程 1 名、博士前期課程 7 名、学 部 4 年 5 名)で研究に勤しんでおります。本学では、以前 より高専専攻科からの大学院入学に力を入れられており、 私もその制度にて入学した一人です。本学では、学部 4 年時よりコース制教育制度が組まれており、博士前期課程 への学内進学が盛り込まれた教育制度となっております。 そのため、進学理由や目的は違えど、研究について意識し て学内進学している学生が大多数を占めていることを願い ますが、私個人の感想としては、より専門的な研究を行え る場を提供していただいていると感じています。 本研究室では普段の研究生活において、“学術的な観 点を意識した研究”を意識し、学生が自発的に研究活動 に取り組んでおり、現在 4 つのテーマに分かれ、それぞれ のグループでトライボロジー特性解明への研究を行ってお ります。1つ目は、高分子複合材料のトライボロジーに関し た研究を行っており、相手金属面に形成されるPTFE 移 着膜、相手金属側の摩耗特性、この 2 つを軸とし、摩擦 による化学的反応(トライボケミカル反応)を観点に研究 を行っております。2 つ目は、高温潤滑材料のトライボロ

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