同窓会報No.38

2021 年 第 38 号 TUT 同窓会報 7 機械工学系の助教に着任しました山崎 拓也です。出身は長野県です。長野工業高等 専門学校を卒業後に豊橋技術科学大学に編入学し、博士前期課程を修了後に一般企業 へ就職しました。CAE 技術者として構造解析を行っていましたが、在学時に取り組ん だ燃焼の研究者となることを決意し、豊橋技術科学大学の博士後期課程に再び入学し ました。博士後期は 2020 年 3 月に修了し、2020 年 4 月より環境エネルギー変換工学研 究室に助教として在籍しています。 専門は燃焼工学で、不均一な固体可燃物の燃焼特性に関する研究を行っています。 具体的な例では、「くん焼」と呼ばれる線香やたばこで観察される燃焼があります。ライターなどの火では息を吹きかけ るとすぐに消えてしまいますが、くん焼では逆によく燃えるようになるので、一般的な火炎とは違った特性があります。 くん焼の燃焼を制御することで、低質なバイオマスなどを有効活用することが可能となり二酸化炭素排出量の低減に結 びつくと考えています。一方で、くん焼は建物や航空機などの火災や、大規模な森林火災に関わる重要な現象です。特に、 森林火災は全世界で排出される化石燃料由来の二酸化炭素排出量の 20 %に達すると言われています。火災の多くは人 為的な要因で発生してることから、大規模な火災を抑制する技術の開発は重要です。持続可能な社会が実現できるよう、 固体可燃物の燃焼研究に邁進してまいります。 機械工学系 助教 山崎 拓也 2020 年 4 月に機械工学系の助教に着任しました武田 洸晶です。専門はロボティクス で、特に福祉ロボットとロボット倫理を研究しています。少ないセンサで人の姿勢を測 定して適切な支援を行うロボットの開発や、人工知能に基づいて動作するロボットが不 安を与えずに人間を支援する手法の研究を行っています。 高齢社会を迎えて福祉ロボットの需要は高まるばかりですが、一方で普及の進みは 速いとは言えません。その大きな要因に値段の問題と、ロボットに対する不安感の問題 があります。ロボットが自律して支援動作を行うためにはセンサやアクチュエータが必 要となりますが、これらを大量に使用することでコストが高くなります。数多くのセンサを使うことは故障の頻度を上げ、 更には使用者のプライバシーの問題も浮上します。そのため少ないセンサでロボット使用者の姿勢などを認識する手法 が必要となります。また、自律的なロボットは単純な機械と異なり、現在・未来の動作やその行動理由が人間には分か らないということが原因で不安感を与えてしまいます。そこで誰に何の情報をどのように提示するべきかを考え、適切に 情報提示を行うことで安心してロボットを使用することができるようになります。このように様々な面から福祉ロボットを 考えて、実際に使ってもらえる物を目指して研究しています。 若輩者ではありますが、本学での研究・教育に精一杯努めますので、どうぞよろしくお願いいたします。 機械工学系 助教 武田 洸晶

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