同窓会報No.38

16 2021 年 第 38 号 TUT 同窓会報 電磁波工学研究室の近況報告 博士後期課程1年 仲 泰正 卒業生ならびに修了生の皆様におかれましては、お元 気でご活躍のことと拝察いたします。電磁波工学研究室 の近況についてご報告申し上げます。 電磁波工学研究室は 2014 年に立ち上がり、今年で 8 年目を迎えます。現在、本研究室には田村 昌也准教授を はじめとして、博士後期課程 1 名、博士前期課程 5 名、 学部生 5 名が所属しています。 本研究室では電磁波についての研究を行っています。 そのなかの1 つに電磁波を用いた無線通信があります。 電磁波は画像や音声といった情報を載せて、日夜世界中 を駆け回っています。今後モノのインターネット(IoT) が社会に浸透するにつれて、スマートフォンやセンサと いった通信デバイスは増加の一途を辿っていきます。し かし、基地局で処理できる通信量には限界がありますの で、このままでは部分的に通信を制限するといった事態 に発展しかねません。そこで本研究室では、これまで培っ てきた高周波回路のノウハウを活かして、ハードウェアの 観点から基地局の負担を軽減すべく研究を行っています。 情報通信の他に、電磁波を用いたワイヤレス電力伝送 (WPT)の研究も行っています。実はセンサやロボットは 街中や工場だけでなく、農業地帯や水中といった特殊環 境下でも活躍しています。例えばセンサを使ってビニー ルハウス内の温度や湿度を測ることは、おいしい農作物 の生育に欠かせません。また、新エネルギーとして期待 されるメタンハイドレートの探索では水中ロボットが活躍 しています。現在、それらのバッテリ交換は人の手で行っ ているのですが、センサは広範囲に分布しており、水中 ロボットは引き揚げ作業が必要になるため運用効率が高 くありません。そこで本研究室では、特殊環境下での WPTを通して新しい運用体制を実現すべく研究を行っ ています。 本研究室では毎年秋ごろに研究室旅行を開催していた のですが、コロナ禍ということで中止になりました。また、 これまで一つだった居室を二つに分け、密を避けて研究 に取り組んでおります。 最後になりましたが、皆様のさらなるご活躍とご健康を 研究室一同、心よりお祈りしております。

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