卒業生の皆様へ
謹啓 春光天地に満ちて快い時候、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、この4月より全国の国立大学はそれぞれひとつの法人格を持つ「国立大学法人」となりました。法人化後の大学には、教育と研究といったこれまでの使命に加え、第三の使命としてより一層の社会貢献が求められます。
なかでも、
大学から誕生する「知的財産の活用」は特に重要です。
法人化後の大学ではこれまで個人に帰属していた発明等の知的財産は、原則として大学に帰属し、
大学の管理のもと、特許等の出願取得は大学の費用でこれを賄い、積極的な技術移転に取り組むことにより、我が国の経済社会の発展に貢献することが強く求められています。
本学におきましては、社会のこうした切実な要望に対応するために、平成15年9月に知的財産・産学官連携本部を設けるなかで、本学の知的財産の創出を支える仕組みについて検討して参りました。その結果、導き出されたのが、 本学の知的財産創出の費用の一部を提供する株式会社の設立でした。株式会社「豊橋キャンパスイノベーション」(略称「(株)TCI」)はまさにそのために誕生しようとしている会社です。
この会社は、代表の私を始め本学の先生方22名が発起人となり、まず百株を引き受け創立するもので、役員には関係者の中から選出された数名がこれにあたり、大学への資金提供を目指し、さまざまな収益活動を展開することとしています。
本稿は、本学同窓会のご高配により掲載させていただくもので、本学が社会的使命を十分に果たすためのこの取り組みについて、卒業生の皆様にお知らせするとともに、別添趣意書に掲げる趣旨につきましてご理解とご賛同を賜り、卒業生の皆様方からもぜひともお志をお寄せいただき、本学のこの意欲的な取り組みを成功にお導きくださいますようお願い申し上げるものです。
末筆ながら本学同窓会のますますのご発展を期待します。 謹言
平成16年4月
国立大学法人 豊橋技術科学大学 学長 西永 頌
(追記)なお、今般の発送におきましては、本件の趣旨に鑑み、同窓会のご理解とご高配のもと同窓生の住所データの使用につき許諾をいただいたうえで、宛名ラベルの形でご提供いただいたものを使用しました。この 住所データにつきましては、今回の発送においてのみ使用するもので、他の目的には一切使用しない ことを申し添えます。