同窓会報 No.36 2019

2019 年 第 36 号 TUT 同窓会報 17 卒業生ならびに修了生の皆様におかれましては、益々 ご健勝のことと存じます。本稿では、ワイヤレス通信研 究室の近況をご報告させていただきます。 ワイヤレス通信研究室は現在、上原秀幸教授、宮路祐 一助教の下、博士後期課程学生 2 名、博士前期課程学 生 8 名、学部生 4 名の計 16 名で日々研究に励んでいます。 本研究室では、ワイヤレスの機能を活かした通信、ネッ トワーク、センシングの技術課題に取り組んでいます。 無線通信では、帯域内全二重の実現に向けた研究を 行っています。帯域内全二重は、同一周波数で同一時刻 に上りと下りの通信を可能とします。基地局が発した信号 が携帯端末からの信号と干渉してしまう技術課題に挑戦 しています。干渉信号を除去するフィルタの開発やソフト ウェア無線機を用いたフィールド実験を行っています。 無線ネットワークでは、複数の通信を効率化するため の研究を行っています。1 対 1の通信とは異なり、送信タ イミングや通信経路の制御が技術課題です。移動速度、 消費電力、干渉状況などの情報から適切にタイミングや 経路を制御することでネットワーク内の通信を、より円滑 に、より低コストで行うことを目指しています。 無線センシングでは、電波を利用した位置推定や端末 識別の研究を行っています。電波伝播の複雑さに対する 推定精度の向上が課題です。複雑さに対処するため、屋 内の電波環境を指紋に見立てデータベースに登録・照合 することで、位置推定の精度改善を目指しています。また、 通信端末の個体差から端末識別を同時に達成します。 これらの研究活動に関して、研究室のホームページ (http://www.comm.ee.tut.ac.jp/wc/ )で公開しておりま す。お時間があるときにご覧いただけたら幸いです。 研究室の年間行事には、新入生歓迎会、研究室旅行、 学内駅伝大会などがあります。また、情報通信分野の他 研究室と合同で、ボウリングやソフトボール大会を開催し ています。研究室内の行事では先輩・後輩間の親睦を、 他研究室合同の行事では研究室間の交流を深めておりま す。 ご多忙とは存じますが、豊橋方面へ来られる機会があ りましたら、是非研究室に足をお運びください。卒業・修 了後の社会人の経験談など貴重なお話が頂けたら幸いで す。研究室一同心より歓迎致します。 最後になりますが、卒業生・修了生の皆様の益々のご 発展をお祈り申し上げますと共に、今後とも研究室にご 支援くださいますようお願い申し上げます。 ワイヤレス通信研究室の近況報告 博士前期課程1年  石井 建至

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