卒業生・修了生の皆様,いかがお過ごしでしょうか。皆様それぞれ職場の最前線にて大いにご活躍のことと思います。
現在,超電導工学研究室は太田昭男教授,中村雄一助教授,稲田亮史助手のスタッフ3名とともに,修士15名,学部生6名の総勢24人のメンバーにて日々の研究生活を送っております。
現在の研究テーマとしては,a)高温超電導線材・バルク体の機能設計およびパワーデバイスへの応用に関する研究,b)高温超電導厚膜を利用した高周波共振器フィルタへの応用に関する研究,c)走査型ホール素子顕微鏡を用いた構造材の非破壊診断に関する研究の3つに大分されます。
a)のテーマでは,送電ケーブルや変圧器などへの交流電力機器への応用を念頭に,高臨界電流密度化・高強度化のための高温超電導線材作製プロセスの開発,および低交流損失高温超電導線材の開発と評価を精力的に進めております。 また,電流リードへの応用を目指した,強磁場・大電流用超電導バルク体の開発と特性評価も行なっております。
b)のテーマでは,ネットワークアナライザ等の装置を用いて,携帯電話基地局用フィルタへの高温超電導厚膜の応用を目指した研究を行なっています。また,今年度からスペクトラムアナライザを新規に導入し,共振特性だけではなく,相互変調歪み特性の評価といったよりレベルの高い高周波応用の研究を行なうことが可能となりつつあります。
c)のテーマでは,走査型マイクロホール素子顕微鏡を用いて,様々な形状の構造用材料表面の磁気イメージを測定することにより,材料の疲労を非破壊で診断するという試みを行なっています。現在までに低炭素鋼,アルミニウム,ステンレス等を測定し,興味深い結果が得られています。各グループで行なう研究と合わせて,最新の研究内容に触れるためにゼミを各学生が持ちまわりで行ない,その内容について熱い議論を交わしています。また,年に一度は液体ヘリウムを使った実験を昼夜を徹して行ない,実験を行なうと共に学生間の友好を深めています。更に,研究室のイベントとして,春は基礎大講座合同で遠足に出かけ(写真),各行事の終わりには慰労会を設けて,先生方と学生の絆を深めるとともに日々の疲れをリフレッシュしています。
現在,研究室のWeb Siteでは,研究室の紹介やメンバーについての情報を公開しています。掲示板も開設していますので,OB/OGの皆様方のメッセージを何か書いていただけたら幸いです。 最後に,豊橋に来られましたらぜひとも研究室にお立ち寄りください。研究室一同,心からお待ち申しております。