22 2026年 第43号 TUT 同窓会報 卒業生・修了生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。 本稿では、応用共生学研究室の近況、日々の研究活 動の様子をご紹介いたします。 現在、当研究室には修士2年生3名、修士1年生 4名、学部4年生2名の計9名の学生が在籍してい ます。中鉢淳先生のご指導のもと、昆虫の細胞内に すみ、栄養や防衛物質の提供などにより昆虫の生存 を支える「細胞内共生細菌」と宿主昆虫の関係性を 分子レベルで明らかにする研究を進めています。 研究対象は植物の汁を吸う小型昆虫であるアブラ ムシやキジラミで、重要な農業害虫が含まれます。 研究テーマは多岐にわたり、ゲノム編集を用いた 共生関連遺伝子群の機能解析、共生細菌のゲノム進 化や次世代昆虫への感染機構の探求、共生細菌が合 成する活性化合物の評価、さらに私たちが共生細菌 から発見した他に類例のない微細構造の分析などに 取り組んでいます。これらの研究を通じて、昆虫と 共生細菌が築く精緻な関係を理解し、環境に優しい 新たな害虫防除技術の開発につなげることを目指し ています。また、共生細菌の代謝物の中には、大腸 菌の増殖や物質生産を促進する一方で、他の細菌の 増殖を抑えるという興味深い性質を持つものが見つ かっており、今後の応用展開に期待が高まります。 今年度は新たに学部4年生2名と他の研究室から 合流した修士1年生2名が加わり、研究室はこれま で以上に活気づいています。異なるバックグラウン ドを持つ学生が集まり、実験や解析の議論を通して 刺激を受け合いながら日々研究に励んでいます。9 月末には、岡崎市にある基礎生物学研究所との共同 研究をきっかけに、同研究所の皆さんや富山大学・ 共生機能科学研究室の皆さんと交流する機会があり ました。活発な意見交換を通じて研究への理解を深 め、実験技能を磨くとともに、懇親会では親睦を深 める楽しい時間を過ごすことができました。先生と お酒を飲むのは初めてでしたが、意外とたくさんビー ルを飲まれるので驚きました。 これまでの基礎研究の成果を踏まえ、今後は共生 系を標的とする防除技術の開発や活性化合物の工学 応用など、研究のさらなる発展を目指します。学生 一同、基礎から応用まで幅広い視点を持ちながら、 共生という生物学の根幹に迫る研究を進めてまいり ます。 皆様におかれましては、引き続き応用共生学研究 室を温かく見守っていただけますと幸いです。豊橋 にお越しの際は、ぜひお気軽にお立ち寄りください。 研究室一同、皆様とお会いできる日を心より楽しみ にしております。 中鉢研究室の近況 応用化学・生命工学専攻 修士2年 安田 侑加
RkJQdWJsaXNoZXIy NDY3NTA=