同窓会報No.43

2026年 第43号 TUT 同窓会報 17 卒業生・修了生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。 本稿では量子情報研究室について簡単に紹介させて いただければと思います。 量子情報研究室は 2023 年度に新設された研究室で す。博士前期課程の学生1名、学部生3名とまだま だ小さい研究室ですが、ダラルノ准教授の指導のも と日々研究に勤しんでいます。量子情報研究室は、 教授・学生の国籍が多様であり、英語、日本語、各 学生の母国語など様々な言語が聞こえる国際色豊か な研究室です。定期ミーティングの場では一通り英 語で説明を終えた後、わからなかったところを日本 語と英語を混ぜながら質問したり、各々のひとり言 は母国語だったりと少々カオスな雰囲気になったり もします。 量子情報研究室ではその名の通り、量子情報科学 や量子基礎論に関連したテーマで研究を行っていま す。現在扱っているトピックは、signaling dimension とquantum guessworkの二つです。 Signaling dimensionは量子基礎論のトピックで、 一般確率論のシステムの古典シミュレーションコス トや能力を議論しています。最終的には一般確率論 のシステムと量子・古典システムとの比較により、 量子・古典システムのみが理想的なシステムである と証明することを目的としています。 Quantum guessworkでは、量子ビットに測定を 行った結果を用いて、少ない質問クエリ数で入力の 量子状態を当てることを考えます。古典の場合では 入力の確率分布に従い確率が高い順に質問していく のが最適となりますが、量子の場合ではそうとは限 りません。本トピックでは測定により最適な質問順 を得ること、またその測定の構築を議論しています。 本研究室では理論的な証明以外にも、コンピュー ターによる各トピックのインスタンスの計算も行っ ています。どちらのトピックも入力が大きくなるに つれ、計算量が指数や階乗のオーダーで増えていき ます。特にquantum guessworkでは、その計算に NP 困難とされる二次割当問題を含んでいます。組み 合わせ最適化など、量子情報の知識だけでなく古典 情報の知識も活用して研究を行っているのも量子情 報研究室の特徴の一つです。 研究成果の発表にも取り組んでおり、積極的に学 会参加、口頭・ポスターでの発表を行っています。 また、2024 年の 2 月には国際ワークショップを主催 し、今後も開催していきたいと考えています。量子 情報分野の学会には物理系や数学系からの参加者が 多く、普段学内では関わることができない方々との 交流はとてもよい刺激になりました。 最後になりましたが、卒業生・修了生の皆様の益々 のご健勝とご活躍をお祈りしたしまして量子情報研 究室の近況報告とさせていただきます。さらなる発 展が期待される量子情報の分野と、豊橋技術科学大 学の発展に寄与できるよう、今後も量子情報研究室 全員で頑張っていきたいと思います。 量子情報研究室の近況報告 修士1年 甲斐 主陸

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