同窓会報No.42

2025年 第42号 TUT 同窓会報 9 振れ制御の研究を行っています。タワークレーンは、 巨大かつ構造的も特殊であり、様々な現象を考慮す る必要があります。現在は、強風などの外乱のオブ ザーバの構築などに携わっています。農業ロボット 分野では、ブルーベリー収穫ロボットの開発を行っ ています。本ロボットは、各果実の状態を把握し、 収穫作業全体の管理を目標としています.福祉ロボッ ト分野では高齢者が日常生活で行う動作を支援する 研究が進められています。肘おきに昇降機構を有し た歩行器型ロボットで起立、歩行、着座の一連の動 作を支援します。少数のセンサを用いて使用者の状 態推定を行い、その結果から、支援を適切に行うこ とに取り組んでいます。使用中に何らかの異常が起 こった場合は、その異常に対して福祉ロボットが適 切に対応できるようにすることにも取り組んでいま す。また、適切なコミュニケーションによって直接、 体に触れるロボットであっても不安感なく使用でき ることを目指しています。前回の同窓会報では問題 となっていたコロナウィルスによる制限も解け、学 内、研修室にも活気が戻ってきており、今後もより 一層の努力と研鑽に励む所存です。最後になりまし たが、卒業生・修了生の皆様の益々のご活躍をお祈 り申し上げます。 卒業生・修了生の皆様におかれましては、ますま すご健勝のことと存じます。現在ロボティクス・メ カトロニクス研究室では佐藤 海二教授、佐野 滋則准 教授、武田 洸晶助教の下、修士2年8名、修士1年 9名、学部4年8名が日々様々な研究に励んでおり ます。本研究室では、精密メカトロニクス・ロボット、 建設分野、農業ロボット、福祉ロボット、およびそ の要素技術の研究に取り組んでいます。精密メカト ロニクス分野では、機械・アクチュエータ技術と計 測制御技術を融合し、実用性を重視した高い利便性 と高性能を両立するメカトロニクス・ロボットの研 究や、感温磁性体とレーザ、永久磁石を組み合わせ たアクチュエータ・小型マニピュレータシステムの 開発を行っています。感温磁性体は温度変化によっ て磁気特性が変化する材料で、これを用いることで 簡易な構造で、完全ワイヤレスで駆動・制御可能な アクチュエータを構成できます。そしてこの特性を 利用した小型マニピュレータシステムの実現を目指 しています。建設分野では、ベルトによって壁面に 吊り下げられる壁面昇降ロボットの開発を行ってい ます。本ロボットは、多くが高所作業で危険を伴う 建築物外壁面作業を人の代わりに行い、安全性の向 上を目標にしています。また、タワークレーンの荷 ロボティクス・メカトロニクス研究室の近況報告 修士2年 今野 麟太郎

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