同窓会報No.42

26 2025年 第42号 TUT 同窓会報 昨年末に人間ドックの結 果を通知されてから、年末年 始を跨いで悶々としていまし た。本日午前に市民病院で精 密検査の結果を聞かされ、深 刻さは低いのですが2、3の 経過観察事項について年2回 の定期検査を義務付けられました。中学校卒業以来 離れて暮らす両親を看ることに支障なさそうで、よ うやくこの拙文を手掛ける気になりました。ここ数 年は体力や健康の衰えを感じる場面も多くなり、そ の一方では、生来の物怖じしない性格に磨きがかか り、人前でずけずけと率直な意見を言うことが増え てきたことも気になっていました。1 か月後に迎える 定年退職は、私にとってはよい潮時と考えています。 本学に赴任したのは2001年10月、アメリカで起 こった同時多発テロ(9.11事件)の直後頃から 23年 半過ごしてきました。10年ほど前には、精神的に落 ち込んで活動できなくなり、学内の方や企業の方、 家族にもとても迷惑を掛けましたが、多くの励まし や協力をいただいたお陰で何とか任期を全うできる のはありがたいことです。生まれ育った北海道と異 なり豊橋は気候が穏やかで、自然災害の影響を直接 には受けず過ごしてきました。実家の土建業は雪と 氷のために 11 月から半年間雪かき以外の仕事が無く なることに対し、冬でも活発な生活は羨ましいもの でした。 海外の大学で3年間働いた経験がありましたが、 本学で過ごしたことは格別でした。前任の北海道大 学では、大きな組織と長い歴史ゆえに大様に過ごし ましたが、新しい国立大学の本学では世の中の動き や国の施策に敏感で俊敏なことに驚きました。事務 局や系の学生に対するサービスが当時からとても優 れているという印象も持ちました。大学の民営化を 境に国の意向に翻弄されることもありますが、枠組 みやルールに縛られることも少なく、自由に過ごす ことができました。 校風とともに、私にとって幸せだったのは、名実 ともに建築と土木が一体となった建築・都市システ ム学系で過ごしたことです。土木出身の私にとって は、建築出身の先生と一緒に過ごすことがとても新 鮮で、デザイン性に富んだ名刺やプレゼン、自由で 発想力豊かな研究スタイルを目にするたびに触発さ れてきました。ともに衣食住の「住」を担う建築と 土木ですが、入学式と卒業式だけが一緒で、それ以 外では一線を画すのが国内の標準です。業界花形の ゼネコンでも建築部門と土木部門では採用や入社後 のキャリアが別れています。本系では学生や教員は 専門性に濃淡はありますが、同一のカリキュラムと 時間割で運営するという実験的な離れ業を建学以来 こなしています。社会との接続をうまく構築するの が本系の課題です。これまでに一度きりの多数決を 行い、JABEEでは建築と土木の2つのプログラム を同時に申請して運営しています。建築士や測量士 といった分野特有の資格に対応する教育体制を維持 することも負担ですが、この特徴を逆手にとって教 員や学生には伸び伸びと活動して欲しいと思います。 また、想定されている南海トラフ地震では本系の実 力が試されますので、鍛錬を欠かさずに備えを万全 にして欲しいと思います。 最後になりますが、改めて皆様に感謝申し上げます。 ご活躍をお祈りいたします。 退職教員より 定年退職にあたって 都市・地域マネジメント学系 教授 三浦 均也

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