同窓会報No.42

22 2025年 第42号 TUT 同窓会報 酸化傷害を検出するためのバイオセンサとして利用しま す。最近では、デザイナー酵母によるテルペンなどの物 質生産への応用を進めており、現在 2 名の学生が取り組 んでいます。これらの研究は、生体有害性評価や稀少物 質の製造等への利用が期待されます。 3 つ目のテーマは、『DNA メタバーコード解析による 土壌生物分析法の開発と農業応用』です。DNA バーコー ド解析とは、リボソームRNA 遺伝子等の特定の遺伝子 の塩基配列の違いに基づいて生物種を判別する手法のこ とです。当研究室では、次世代シークエンサーによる大 量の塩基配列解析能力を生かして、土壌生物群集構造を 簡便かつ高精度に解析する手法を確立し、農業応用を進 めています。現在、大学の圃場や栽培用ハウスを舞台に、 5 名の学生がこの研究に取り組んでいます。 今年は、新しく5 名の学部生が研究室メンバーとして 加わり、さらに賑やかな環境になりました。また、広瀬 研究室メンバーと一緒に学内BBQや浜名湖での釣り、 4 系研究室対抗ソフトボール大会に参加するなど、メン バーとの仲が深まるイベントが多かったように思います。 卒業生、修了生の皆様、豊橋の近くに来られた時には、 是非、研究室にお立ち寄りください。研究室一同、皆様 のご来校を心よりお待ちしております。最後になりまし たが、皆様のこれからの益々の御活躍、御発展を心から お祈りしております。 卒業生、修了生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。 それぞれの職場でご活躍のことと存じます。それでは、 この場をお借りして浴研究室の近況についてご報告させ て頂きます。 現在、研究室の構成は、浴 俊彦教授、大学院生(修士) 6名、学部生5名、技術補佐員1名の計13名で活動し ています。2022 年 4月には助教の広瀬先生が准教授に 昇任され、新しい研究室を運営されるようになりました。 現在、浴研究室では大きく3 つのテーマで研究を行っ ています。 1つ目のテーマは、『ゲノム安定性維持に関わる新規 RNA干渉遺伝子群の研究』です。現在、ゲノム安定化 に関与するRNA 干渉機構を明らかにすべく、タンパク 質レベルでの研究を進めています。本研究は、医薬品や 遺伝子治療への応用が進められているRNA 干渉研究や ヒトの癌や老化の研究にも大きく貢献することが期待さ れます。この研究には、現在 4 名の学生が取り組んでい ます。 2つ目のテーマは、『合成生物学に基づくデザイナー 酵母の創出』です。これまで、CRISPR/Cas9 を用いて、 合成生物学的にゲノム改変したデザイナー酵母を作製 し、発癌の要因となるDNA 傷害性や、細胞傷害を引き 起こす酸化傷害性を簡便に検出できるシステムの開発を 進めてきました。各傷害に特異的に応答する遺伝子プロ モーターを組み込んだレポーター酵母を、DNA 損傷や 浴研究室の近況報告 修士2年 鈴木 美緒

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