同窓会報No.42

10 2025年 第42号 TUT 同窓会報 組んでいます。4つ目は、流体の蒸発潜熱と多孔体 の毛細管力を利用した熱輸送デバイスであるループ ヒートパイプ(LHP)の研究です。宇宙機の熱制御 にも利用される LHP の高性能化や太陽熱を利用した LHP の開発にも取り組んでおります。 ここ数年はコロナ禍も落ち着きを見せており、自 粛していた活動も再開されています。今年度は修士 2年生2名がオランダで開催された国際会議にて発 表を行いました。また、研究室内の行事として、昨 年度から毎年恒例の研究室旅行を再開し、研究室内 の親睦を深めることができました。 なかなか先の見通せない時代ではありますが、「省 エネルギー」はコロナ後の時代でも変わらない世界 の課題と考え、より一層研究に取り組んでいく所存 です。末筆ながら、卒業生・修了生の皆様の益々の ご活躍を祈念しますと共に、今後とも研究室にご支 援下さいますようお願い申し上げます。 本学卒業生並びに修了生の皆様におかれましては お元気でご活躍のことと存じます。省エネルギー工 学研究室の近況についてご報告申し上げます。2024 年度の本研究室では横山博史教授と今年度着任され た倉石孝助教のもと、博士前期課程10名、学部生8 名が在籍しています。 本研究室では研究室の名称でもある「省エネル ギー」を軸として流体力学、音響学、熱力学に関連 する研究テーマを扱っており、現在大きく分けて4 つのテーマが進行中です。1つ目は、空力音の発生 メカニズムの解明・制御を目的とした研究です。自 動車や新幹線などの輸送機械やファンなどの流体機 械で発生する空力騒音の抑制に取り組んでいます。 また、熱音響効果を利用し、騒音からエネルギーを 回収する研究にも取り組んでいます。2つ目は二酸 化炭素を回収する方法の1つである物理吸着に関す る研究です。最近の研究により物理吸着が音響加振 により促進されることが明らかになっています。3 つ目は、流体内部に電気的な力を作用させ、流体の 輸送や制御を実現する電気流体力学(EHD)に関す る研究です。小型・軽量な流体輸送システムを実現 するため、最適な電極形状・流路形状を実験・数値 解析の両面から調査しています。 またプラズマア クチュエータを用いた流体や空力音の制御にも取り 省エネルギー工学研究室の近況報告 博士前期課程2年 吉岡 進也

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