同窓会報No.41

2024年 第41号 TUT 同窓会報 1 豊橋技術科学大学同窓会の皆様方におかれましては、常日頃より同窓会活動にご理解とご協力を賜りまして、誠にありがとうございます。 本年元日に起きた能登半島地震は甚大な被害をもたらし、多くのお亡くなりになった皆様にお悔やみを申し上げるともに、被害に合わ れた皆様にお見舞いを申し上げます。孤立した集落、復旧に時間を要するインフラ、雪や寒さなどのニュースは、胸を締め付けられる思 いですが、少しでも早く復興の緒につくことができるよう祈るばかりです。 2020 年初めに始まった新型コロナ感染症も昨年 5 月にようやく5 類へと移行し、ようやくアフターコロナの時代として、社会も落ち着き を取り戻しました。コロナ禍で経済的に苦労されていた在学生へ行ってきた同窓会緊急学生支援も今は申請がなくなり一安心。また昨年 11 月には、大学と共催で「ホームカミングデー」が対面とWEB 併用で開催され、多くの卒業生にご参加いただきました。ご参加いただ いた皆様に改めて感謝申し上げます。 同窓会にとって、一昨年に続いての明るいニュースは、昨年6月に行われたNHK学生ロボコン全国大会で我が技科大が 2 年連続優 勝!!さらには、その後にカンボジアで開催された世界大会ABUロボコン 2023 でも初優勝を飾り、後輩たちの活躍に勇気をもらう大変 嬉しいニュースとなりました。本当にあっぱれ!!! 実は、世界遠征に向けての資金集めはロボコンチームの学生達自らが行っていて、同窓会からの支援にあたり、資金援助依頼のお話 を直接お伺いしました。その説明や受け答えが学生とは思えないほどしっかりしていて、ロボコンの優勝もさることながら、その活動が学 生達に大きな成長をもたらしていることに感心しました。 同窓生皆で世界大会優勝の喜びを分かち合いたいと思います。 同窓会活動としては、例年継続している優秀な学部卒業生への「同窓会会長賞」の授与、「学生課外活動支援」の他、好評を頂いて いる食堂での「めざましごはんプレミアム」や「同窓会カレー」への経費支援など、学生の健康、学びや研究の糧となる支援を行ってい ます。 また、同窓生を対象とした懇親会やパーティ等の交流活動への助成は、コロナ禍は申請が少なかったものの徐々に増えています。私の 期(旧建設工学系 4 期)もこの助成を活用して、38 年ぶりに同窓生 20 数名が三谷温泉に集まり、懐かしい顔を見ながら楽しい一日を過 ごさせていただきました。是非、皆様におかれましても、同窓生が集まる機会にこの助成をご活用下さい。 これらの活動に加えて、2023 年秋号を初号として、季報「技科大の顔」の配信を始めました。詳細は別の頁で述べますが、多様な分 野で活躍されている様々な年代の卒業生に執筆いただき、その活動を在学生、卒業生に知ってもらう季報「技科大の顔」。是非、ご一読 いただければと思います。 さて、1976 年に設立した母校も2026 年 10 月に 50 周年を迎えます。大学では開学 50 周年記念事業を予定されていて、同窓会もこれ を機に同窓生の皆様の結束を強める活動を行いたいと考えています。 これからも同窓会が同窓生の力を合わせるプラットホームとなれるよう、皆様のご活躍を祈念すると共に、今後も同窓会活動へのご協力・ ご理解を深くお願いして、挨拶に代えさせて頂きます。 同 窓 会 会 長 挨 拶 同窓生が力合わせるプラットホームを目指して 旧6系(建設工学系)4期生 若林 亮 <株式会社日建設計 デザインフェロー>

2 2024年 第41号 TUT 同窓会報 ABUアジア太平洋ロボットコンテスト優勝のご報告 2023シーズン ロボコン同好会代表 廣本一真 豊橋技術科学大学同窓会の皆様、この度はABUロボコンに際し、多大なるご支援をいただき深く感謝申し上げ ます。ご支援の甲斐ありまして、NHK 学生ロボコン、及び ABU ロボコンで優勝を果たしました。また、最も優秀 なロボットを製作したチームに与えられる「ロボコン大賞」も受賞し、名実ともに世界一となりました。 この一年間を振り返ると、一瞬の出来事 だと感じるくらい、ロボコンに熱中してい ました。それほど、世界一を本気で目指し た一年間でした。この一年間を言い表すな ら「挑戦」です。私は、過去のロボコンで は勝ちきれずに「ああすればよかった」「、こ うすれば勝てた」と後悔ばかりでした。し かし、どれだけ後悔しても結果は変わりま せん。今年が、NHKのロボコンに出場で きる最後の年であったため、思い残すこと がないよう一切の妥協を許さずに、思いつ く限りのことを全てやり尽くしました。そ れが、私にとってのこの一年間、世界一へ の「挑戦」です。ここまでして勝てないの なら諦めが付く、そう思えるくらいの全力 を振り絞りました。 もちろん、上手くいかないこともたくさ んありました。それでも、諦めることは一 度もありませんでした。私にとっての失敗 は、敗退を意味していたからです。負ける までの全ては、成功までの糧だと思い、ど ん底を経験したとしても、必死に這い上が りました。それは、私だけでなく、周りも 同じでした。仲間に支えられ、そして共に 掴んだ世界一です。チームメイト全員に感謝しています。この一年間で身をもって体感したことは、心の底から実 現したいと思う気持ちがあれば、大きな目標も、いずれ達成できるということです。これは、ロボコンに限らず全て に通じることだと思います。我々の活動が、皆様の挑戦のきっかけになれたら幸いです。 最後に、この度は私たちの活動にご支援いただき、誠にありがとうございました。私たちの活動は、皆様のご支 援によって成り立っております。とよはし☆ロボコンズは、今後も世界に挑戦し続けて参りますので、引き続きのご 支援のほどよろしくお願いいたします。

2024年 第41号 TUT 同窓会報 3 令和 5 年 11 月11日(土曜日)の 14 時から豊橋技術科学大学では 3 回目となるホームカミングデー 2023 を同窓会 との共催で A-101 大講義室にて開催しました。 前回はコロナ禍に配慮しオンラインでの開催となりましたが、今回は約 100 名の卒業生に参加していただくと ともに YouTube 配信によるハイブリッド開催となりました。 豊橋技術科学大学吹奏楽団による歓迎演奏で開会し、寺嶋学長と株式会社日建設計のデザインフェローで同窓会の若 林会長の主催者挨拶、寺嶋学長から本学の近況報告、2 つの記念講演を行いました。 1つ目の講演は、若林同窓会長から「自然の恵みを活かす建築」と題して、地球温暖化の中で、建築における 省エネルギーの取り組みは大きく変わっており、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)を実現した学校建築をはじめ、 光、風、地熱といった自然の恵みを活かす建築についてお話しがありました。 2 つ目の講演は、豊橋技術科学大学情報・知能工学系の北崎教授から「バーチャル身体性とメタバース」と題して、 豊橋技術科学大学のメタバース開発の進捗状況とその基礎となるバーチャル身体性の研究の紹介がありました。 休憩を挟んで、オンラインチャリティイベントに参加の学生団体からのお礼の動画の放映、卒業生5名の方に ご出演いただき、学生時代の思い出話を披露し参加者と思い出を深めていただく思い出トークを行い、最後に角 田理事から閉会の挨拶がありました。 参加者からは「講演会や思い出トークでは活躍されている先輩諸氏の姿に触れ、TUT卒業生であることが誇 らしく感じました。卒業生ならではの寮生活の思い出などもフランクにお話くださり、和やかな雰囲気で楽しかっ たです。」とのコメントをいただきました。 ご参加いただけなかった方には、是非、豊橋技術科学大学卒業生連携室のホームページに掲載のアーカイブ動 画でご視聴いただければ幸いです。 ホームカミングデー2023を開催しました。

4 2024年 第41号 TUT 同窓会報 ホームカミングデー閉会後に福利施設のひばりラウンジに会場を移し、同窓会による交流会を開催しました。 こちらも約 80 名の方に参加していただき、若原理事の挨拶、若林同窓会長の乾杯の発声で開会しました。 終始、あちらこちらで思い出話が弾んでいる様子で、中西理事の挨拶があり、抽選会を行い、景品として東三河の 地酒を当選した 3 名の方にお贈りしました。 最後は、副学長で卒業生連携室長の滝川教授から閉会の挨拶でお開きとなりました。 豊橋技術科学大学は 2026 年に開学 50 周年を迎えます。記念すべき節目を迎えるにあたりまして、卒業生の皆様と のネットワークの強化に努めて参りますので、引き続きご支援ご協力を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

2024年 第41号 TUT 同窓会報 5 2023年秋号を初号として、季報「技科大の顔」の 配信を始めました。 「技科大の顔」は、季報として年に4号。毎号、 新5系の各系、30代、40代、50代、60代の4名の 卒業生、計 20 名の方々に、ご自身の活動や近況報告、 今思われていること、大学や後輩へのメッセージな ど、自由にご執筆をいただき、同窓生、在学生に配 信する企画です。 いくつかの地域、職場では、卒業生が集う場が設 けられていますが、同窓会では国内外の様々な地域 で活躍されている同窓生が、互いを知ってネットワー クを築く場をつくることが課題で、その中で生まれ た企画です。 卒業生の笑顔の写真と簡単な経歴、700 字程度のさ らりと読める短い文章で、卒業生の「顔」を配信し、 卒業生の皆様には、ご自身が卒業した系を超えてネッ トワークを築く「顔」となり、在学生の皆様には、 在学生と卒業生、社会をつなぐ「顔」となることを願っ て配信することとしました。 初号の秋号、これに続く冬号は、国内外で活躍され ている卒業生の皆様のお話や在学生のメッセージ、大 学時代の思い出など、読み応えのある素晴らしい「顔」 となりました。是非、以下のURLからご一読願います。 https://alumni.tut.jp/newsletter/ 初号の秋号の執筆者は、大学の先生方からのご紹介 で依頼をさせていただき、以降の冬号からは前号の執 筆者からご紹介をいただくリレー形式での執筆依頼と なります。 また、制作にあたっては稲田亮史副会長のもと、 各系から在学生に参画いただき、執筆者である先輩 への依頼メールからとりまとめまでを担当いただい ています。前号執筆者からのお声掛けと学生さんか らの依頼がありましたら、是非、ご執筆をいただき ますようお願いします。 一年に 80 名、2026 年 10 月の 50 周年までには 260 名の「顔」を配信、それ以降も長く続く「顔」にな ることを期待しています。皆様のご協力、ご支援の ほど、何卒、宜しくお願い申し上げます。 卒業生の顔を知る「技科大の顔」の配信にあたって 同窓会会長 若林 亮

6 2024年 第41号 TUT 同窓会報 同窓会の皆様におか れましては、お元気に ご活躍のこととお慶び 申し上げます。平成22 年4月に学部・大学院 組織を再編して、5 つの系と総合教育院において教育 と研究が行われており、旧機械システム工学系(旧1 系)および旧生産システム工学系(旧 2 系)を統合し た機械工学系(1 系)として活動しております。 機械工学系の組織は、機械・システムデザインコー ス、材料・生産加工コース、システム制御・ロボット コース、環境・エネルギーコースの 4コースで構成さ れ、計16 研究室があります。教員、学生ともにコー スに所属する研究室に在籍しております。 現在、教授 15 名(兼務教員 1 名含む)、准教授 11 名、 助教 9 名の計 35 名の教員が所属しております。2022 年度末には、薄膜材料研究室の伊﨑 昌伸 教授、省エ ネルギー工学研究室の柳田 秀記 教授が定年退職され ました。両先生の永年にわたる教育・研究、大学運営 へのご貢献に対し心から感謝いたします。また、機械 ダイナミクス研究室の松原 真己 准教授が早稲田大学 の准教授として、自然エネルギー変換科学研究室の吉 永 司 助教が大阪大学の助教として異動されました。 界面表面創製研究室の山田 基宏 助教、計測システム 研究室の戸田 清太郎 助教がいずれも民間企業に転出 されました。一方、新規採用により、2023 年 4 月には、 高強度マテリアル開発評価研究室に大場 洋次郎 准教 授が着任されました。本年 4 月には、省エネルギー工 学研究室の横山 博史 准教授が本系の教授に昇進され ました。 2020年初頭以降の新型コロナウイルス感染症の影 響を受けて、機械工学課程・専攻の教育ならびに研究 活動は、大きな様変わりを見せました。教育活動にお いては従来からの対面形式からGoogle Classroomな どを用いた on-demand 形式や双方向を組み入れたハ イブリッド形式の活用が進みました。また、研究活動 ではon-line形式を活用した研究報告会などの実施、 テレワークの推進と、本学・本系も大きな変遷の中で 柔軟に対応しながら、教育研究活動の質を確保する 努力と工夫をしてきました。2022年度には、感染拡 大防止への配慮をしながら、徐々に対面授業へと移行 し、昨年10月からは、原則、対面での授業になって おります。2023年度に入り、学内のSakaki Parkで はBBQ パーティをする研究室の日常の風景も戻って きました。また、オンラインでの活動が一般的になっ てきたことで、新たな試みとして、高専出身の本系の 学生と高専の学生さんとのオンラインでの交流会(高 専OB・OG訪問オンライン)を始めました。また、 本系の学生の活躍を中心に配信する「機械工学系公式 Twitter」(https://twitter.com/TUT_kikai) を 開 設 しました。是非、フォローをお願いします。 このように、本学・本系を取り巻く環境は目まぐる しく変化しておりますが、本系では、今まで以上に社 会に貢献できる教育・研究を行うべく一層努力する所 存でございます。同窓会の皆様には、引き続きご支援、 ご指導を賜りましたら幸いです。末尾ながら、同窓生 の皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。 最後になりますが、本学名誉教授の堀内 宰 先生が 本年 5 月にご逝去されました。先生の永年にわたる暖 かいご指導に感謝するとともに、心からご冥福をお祈 りいたします。 学内近況報告 系長 柴田 隆行

2024年 第41号 TUT 同窓会報 7 教職員紹介(令和5年12月現在) 【機械・システムデザインコース】 教 授 河村 庄造、足立 忠晴、柴田 隆行、永井 萌土 准教授 竹市嘉紀 助 教 田尻 大樹、岡本 俊哉 【材料・生産加工コース】 教 授 三浦 博己、小林 正和、戸髙 義一 准 教 授 横山 誠二、安井 利明、安部 洋平、 大場 洋次郎、足立 望 助 教 Khoo Pei Loon 【システム制御・ロボットコース】 教 授 佐藤 海二、内山 直樹、高山 弘太郎、 高木 賢太郎 准 教 授 佐野 滋則、高橋 淳二 助 教 秋月 拓磨、比留田 稔樹、武田 洸晶 【環境・エネルギーコース 】 教 授 飯田 明由、中村 祐二、土井 謙太郎、 横山 博史 准 教 授 鈴木 孝司、関下 信正、松岡 常吉 助 教 西川原 理仁、山崎 拓也、岸本 龍典

8 2024年 第41号 TUT 同窓会報 着任のごあいさつ 機械工学系 准教授 大場 洋次郎 2023年4月に機械工学系 高強度マテリアル開発・評価研究室に着任いたしま した大場洋次郎です。2009 年 3 月に慶應義塾大学にて博士(工学)の学位を取得し、 物質・材料研究機構(NIMS)にてポスドク研究員、京都大学にて助教、日本原子 力研究開発機構にて研究副主幹を経験してまいりました。国立研究所と大学を行き 来してきましたが、研究分野はほとんど変わっておらず、継続して中性子や X 線を 使った金属材料研究に取り組んでおります。特に、この分野ではあまり使われてい ない、中性子小角散乱法とX 線小角散乱法というナノ構造の解析手法を軸に、金属 材料のさらなる高性能化に貢献することを目指して研究を進めています。また、近年の中性子利用施設の目覚まし い発展を背景として、中性子イメージングを応用した新しい実験技術の開発も行っています。本学においては、研 究室の皆様とともに研究に励むとともに、産業界においても中性子やX 線を活用できる技術者の育成を目指して、 学生の教育にも尽力していく所存です。 NIMSに所属していた頃から、本学の先生方には共同研究などで度々お世話になってきました。当時は自分が本 学の一員になるとはまったく想像しておらず、縁とは不思議なものだと実感しています。今後ともご指導ご鞭撻の 程よろしくお願い申し上げます。

元機械工学系 教授 伊﨑 昌伸 (現在: 奈良国立大学機構 奈良女子大学 特任教授) 楽しかった学生たちとの一コマ、二コマ・。といっても研究 や実験、授業での一コマではない、それはこれまで書き綴って きた。研究室でのハイキングやバイキング、たこ焼きパーティ に鍋パーティ、特に研究室エスニックツアー、車数台に分譲し て出かけた(先生(私)が一番行きたがり、はしゃぐ)スキー (ボード)ツアー、などなど、楽しいことの連続だった。ミャン マーからの留学生が来た、英語は堪能だが、日本語はまだま だ・・・よし、これはいいチャンスだ、研究室の中での会話は 英語だ! ある日言ってみる・・・・大ブーイング、仕方ない、 できるだけ、ということで・・・3年経ったら、ミャンマーから の留学生は上手に日本語を話していた・・・。このミャンマー からの留学生が来てくれたおかげで、エスニックパーティが始 まった、世界エスニックツアーの始まり! ミャンマーから始ま りマレーシア、そしてミャンマー、マレーシア・・・、2ヶ国巡 りのエスニックツアー。ミャンマーで普通に食べているスイート なグリーンカレーは火を拭くような辛さ、食べなきゃよかった・・ とエッセイ風に記述してみました。 ふり帰ってみますと16 年、薄膜材料研究室の竹中英俊先 生、横山誠二先生、笹野順司先生、Khoo Pei Loon先生、 品川勉先生、若月幸子研究員、そして歴代の秘書の皆様、の ご支援・ご協力のおかげでなんとか、2023 年3月31日のこの 日を迎えることができました。また、研究室の学部・博士前期 課程・博士後期課程に所属する学生の皆さんには、よくわか らないことを言う先生についてきて頂き、成果を積み重ねて頂 きました、ありがとうございます。さらに、生産システム工学系 から機械工学系まで、浅学非才の身をもって、なんとか校務 を勤め上げ、この日を迎えることができましたのは、所属の先 生方と事務室の皆様、他系の先生方、大学の事務部門の皆 様のおかげであり、多大なるご指導・ご鞭撻を賜りました。こ の場をお借りいたしまして関係の皆さま方に厚く御礼申し上げ ます。豊橋技術科学大学ならびに先生方・職員の皆様の益々 のご発展とご多幸を祈念しております。 長きにわたりありがとうございました 2023 年3月31日、私はこの日を迎えた。2007 年 10 月1日か ら数えて約 16 年。振り返ってみれば懐かしいような気もする が、どちらかといえば忙しかった、気がする。ちょうど、競争 的研究資金が取れ始めて数年、(競争的研究資金獲得の荊 の)階段を登り始めた時に、私は本学に赴任した。それまで に導入した装置類は持参せず(できず)、実験を行うにしても 装置も何もない、どうやったら、この研究という海原に船を漕 ぎ出せばいいんだ・・・・・と途方に暮れていたら(実は暮れ てなかったが)、なんと“うちの研究室の装置、自由に使ってい いよ”、との言葉を投げかけてくださる先生方がおられた。な んと嬉しいことか、大学は研究室の間の壁が下からは見えな いくらいに高くて、乗り越えるなんてとんでもない、という噂を 信じ込んでいた私は・・・・驚いた。そして、としみじみ感謝 した、ありがたいことです。おかげさまで、なんとか研究の荒 波に船をこぎ出すことができた。研究資金の獲得も順風満帆、 で研究室内の装置は年々増えていった、そして今度は設置す る場所がなくなった。系会議で、“すみません、空いてる部屋 を使わせてください“、すると空いている部屋を使っていいよ (課金はあるけど)、ありがたいことです。研究室の装置も増え、 部屋も増え、そして学生も増えてきた。学生の諸君と一緒に 遊ぶ、いえいえ一緒に実験をしたり、考えたりするのは、楽し い。学生と一緒に授業を作り上げるのも楽しい。 一人旅は楽しい、ゆっくりと景色を見て、ぶらぶら歩いて、 美味しい料理を食べて、ゆっくりと寝る。たくさんでワイワイガ ヤも楽しい、一人の楽しさと大勢での楽しさは比較の対象で はないが、ひとりではできないことができる楽しさ、新たな気 付き、予想外の展開・・・研究室での生活は、ひとりで考え る楽しさと苦しさ、たくさんで乗り越える苦労と積み重ねの強 さ、か。一人でできることは限られている、一人、SPring8 に 行って実験をする、無理。でも、協力すれば、あの超巨大シ ステム(大好きです)で実験して、良い結果が出る(こともあ る)。気づいてみれば、装置類が揃う、嬉しさと楽しさ、に伴 い、3ヶ月毎の進捗報告書と年度末の報告書に追われ続ける 日々がやってきていた。締め切りを気にして必死に報告書を書 き続ける私、そしてそんな時、コンピュータは壊れる、そして呆 然。そして、私はmacに替えた、あのTime Machine(とい うバックアップ機能)を手に入れるために。おかげさまでファイ ルを間違って消してしまっても、ん?どうしたの?慌てなくても大 丈夫。こんな状態の中、学生くんたち、そしてスタッフは、よ くわからない研究とよくわからないことをいう先生(私)を見捨 てることなく、実験に勤しんでくれた、有難いことです、感謝。 退職教員より 2024年 第41号 TUT 同窓会報 9

退職教員より 10 2024年 第41号 TUT 同窓会報 豊橋技科大での45年を終えて 柳田 秀記 令和5年3月末をもって豊 橋技科大を定年退職しまし た。松江高専の(多分)3 年 次在学中に高専生のための 大学ができると担任の先生 から聞き、5 年生になってそ れが実現しました。本学に 1 期生としてエネルギー工学 課程 3 年次に編入学し、修士課程修了までの 4 年間を 学生として過ごし、その後本学に教務職員(現在の助 手相当)として奉職することとなりました。 学生時代に所属した本間先生(当時助教授、材料強 度学)の研究室から油圧工学を専門とする市川先生 (教授)・日比先生(助教授)の研究室に移りました が、1・2 年後輩の 2・3 期生の人たちから「柳田セン セイ」と冷やかし気味に時折呼ばれ、緊張しながらも 楽しく教員生活を始められたことが思い出されます。 当時は油圧機器(ポンプ、モータ、バルブ)や油圧 式フリーピストンエンジンに関する研究が中心でし たが、油用静電フィルタ、油圧サーボシステム、電 気流体力学現象、動的摩擦特性、水圧シリンダ、(再 び)油圧ポンプなどへ研究対象を少しずつ広げて行き ました。ご指導・ご助言いただいた学内外の先生方、 そして、その時々の研究を支えてくれた研究室の卒業 生の皆さんのお陰で研究を進めることができ、無事に 勤め上げることができました。 研究活動とは別に、自動車研究部の顧問を縁あって 創部当時から務めました。自動車産業界におられる同 窓生の方はよくご存知と思いますが、自動車技術会が 主催する学生フォーミュラ大会に日本初となるカー ボンモノコックボディーの車両を作り上げて参戦す るなど、本学学生のポテンシャルの高さを実感させて もらいました。この活動も非常に楽しい思い出となっ ています(写真 1)。 退職前後に送別会や祝賀会をいくつか開いて頂き ました。いずれも心温まる大変楽しい時間を過ごすこ とができ、お陰様で心地良い思い出となっています。 流体工学研究室(市川・日比研)の OB が企画してく れた退任記念同窓会(写真 2)では、承継研究室であ る省エネルギー工学研究室の直近の修了生も含めて2 期生以下の多くの卒業生が遠方からも参加してくれ ました。また、自動車研究部の学生さんが開いてくれ た懇親会にも多くの OB・OG が参加してくれました。 私の退職が卒業生相互の親睦にも役立ったものと喜 んでおります。 退職後の4月からは週5日ほど豊橋市や田原市の図 書館に通って過ごしています。昨年度までの研究成果 を論文にまとめる作業と学会の役員としての作業、読 書や情報収集などをしています。また、本学開催の公 開講座などを聴講して楽しませてもらっています。 最後になりますが、学生時代を一緒に過ごした同期 生の皆さん、流体研・省エネ研・本間研のOB・OG の皆さん、自動車研究部のOB・OGの皆さんをはじ め同窓生の皆さんの益々のご健勝とご発展を祈念い たします。 写真1 写真2

2024年 第41号 TUT 同窓会報 11 大学生活ですが、昨年度からの講義や実験は対面 が普通となり、新型コロナまん延前のようになりつ つあります。しかしながら、まん延防止対策用オン ライン講義のために使っていたグーグルクラスルー ムの活用は残っており、資料の配布や課題レポート の提出によく利用されています。学生は提出に慣れ ており、楽なようです。また、パソコンの必携化に よって学生がノートパソコンやタブレットを持ち歩 き、授業中にノートパソコンやタブレットにメモ、 スマホで資料閲覧などの光景も一般的になりました。 以前は授業中にスマホ閲覧はありえないことでした。 さらに、工学実験では、新型コロナまん延前ではグ ループに1つの試験片でしたが、新型コロナ対策に より一人1つの試験片になって、学生が手に取って しっかりと観察できる環境になりました。皆様も同 様と思いますが、遠隔の場合の打合せがオンライン のことも普通になりました。まん延防止によって様々 な事が進まないと思っていましたが、それなりに進 化し、まん延防止後も利用できるところは残ってい るようです。 同窓生の皆様におかれましては、帰省などで豊橋 付近を訪れる機会がございましたら、ぜひ研究室に お立ち寄りいただければと存じます。このところ、 リクルート関係が多く、OB・OGが訪問いただけま すと学生は様々な情報を得られることも多く、有益 なようです。研究室への訪問をお待ち申し上げます。 卒業生ならびに修了生の皆様におかれましては、 ご健勝のこととお慶び申し上げます。 現在の研究室のメンバーは,4月に再編された極 限成形システム研究室の教員と学生が材料機能制御 研究室の仲間となりましたので、戸高義一教授,足 立望准教授,小職,秘書2名、博士学生3名、修士 学生20名、学部生11名、特別研究学生1名の合計 で 40 名の大所帯です(写真1)。タンザニア、中国、 ベトナム、メキシコの学生が在籍しています。全員 集まる輪講は、D棟の会議室で収まりきらないため にA棟の講義室で行われています(写真2)。また、 4 つの学生居室、D 棟群に 9 つ、総合研究実験棟に 3 つ、研究基盤センターに4つの実験室を有しており、 面積的にもとても大きな研究室になっています。 研究テーマとしては、加工プロセスを利用したマ ルチスケールな材料組織制御、および、そのための 合金設計を駆使し、鉄鋼材料などの構造材料からエ ネルギー変換材料の機能材料における特性・機能の 高度化や新規材料の創製に関する研究を行っていま す。また、それらに加えて、塑性変形制御に基づく 成形限界向上に関する研究を行っています。前者は 戸高教授と足立准教授、後者は小職が担当していま す。現状では前者と後者がまだ融合できていません が、金属の特性・機能の根源となるナノマイクロの オーダーの組織制御からミリメートルの実製品の成 形制御を通じたものづくりを包括できる研究体制に 進みつつあります。 材料機能制御研究室の近況報告 准教授 安部 洋平

12 2024年 第41号 TUT 同窓会報 イルに発生する誘導起電力を利用して衝撃荷重および 試験体の変形を測定しています。最近は動的な硬度測 定にも測定技術を展開して、衝撃試験機の小形化を 行っています。 以前は硬質の高分子材料の力学的特性について、主 に微粒子の加えることで材料がどのように強化される のかについて研究を行ってきていました。弾性係数だ けでなく、強度、破壊靭性が粒子充填にどのように影 響されるのか、特に粒子がマイクロサイズからナノサ イズに変わったときの影響を明らかにしています。硬 質のガラス状態の材料・複合材料の力学的特性につい て研究を行ってきていましたが、最近ではゴム状の材 料についても粒子強化の研究を行っています。 2023 年度になり新型コロナウイルス感染症の対策の 影響が少なくなり、研究室の行事もコロナ前のように 行うようになってきています。研究室歓迎会、卒業式 お祝い会なども2022 年度末から再開してきています。 コロナ前は宿泊を含む研究室旅行に行っていましたが、 昨年度末に研究室に滞在していたオーストリアの教授 との田原へ日帰り旅行などに出かけるようになってき ています。また、2023 年 10 月に学内の駅伝大会の研 究室として初めて参加しています。 研究室は私の定年退職までの 2025 年度末までとなり ますが、研究室の学生がのびのびと活動できる環境を 提供できればと思っています。 卒業生・修了生の皆様におかれましては、ますます ご健勝のことと存じます。本研究室「機能材料・構造 システム研究室」は竹市 嘉紀 准教授と私とで分かれ て運営されています。この研究室は、ちょうど、機械 システム工学系(旧1系・) 生産システム工学系(旧2系) などがあった課程・専攻・系から改組する最後の年に あたる2009 年 4月に私が本学に着任し発足し、翌年 に改組して機械工学系( 現1系)に引き続き、15 年が 経過しています。2009年から2012年8月まで樋口 理 宏 助教(金沢大学へ転出)が在籍し、2016年4月か ら2020年8月まで石井 陽介 助教(京都大学へ転出) が在籍していましたが、現在は研究室に教授として私 のみが在籍し、事務補佐員の市橋 洋子さんが勤務され ています。昨年度までに研究室から大学院を74 名が修 了し、17 名が学部を卒業して社会に出ています。2023 年 10 月現在、4 名の学部 4 年生、3 名の大学院博士前 期課程 1 年生および 5 名の 2 年生が所属しています。 研究室の主な分野は材料力学であり、特に短時間、 高速現象である衝撃工学および時間および温度依存す る高分子材料・複合材料の力学的特性についての研究 を主に行っています。 センサーを取り付けられないような小形の衝撃体が 衝突するときの衝撃荷重および試験体の変形を非接触 に測定を可能にする技術を数年前に開発して、その応 用の研究を行っています。磁性のある衝撃体が通過す るときに磁場の変化を試験体の近くに置かれているコ 機能材料・構造システム研究室の近況報 足立 忠晴

2024年 第41号 TUT 同窓会報 13 de Recherche sur les Phénomènes Hors Équilibre: IRPHÉ)で研修を行っています。せっかくですのでそ の様子をご紹介します。 IRPHÉ はエクス=マルセイユ大学とCNRS(フラン ス国立科学研究センター),エコール・セントラル・ド・ マルセイユが連携して運営する研究所で、燃焼や生物 など様々な複雑系のモデリングと解明を目的としていま す。IRPHÉ には、自己組織化チームなど 7 つの研究チー ムがあり、その中に 36 名の研究員(教員を兼ねる者お よび名誉教授を含む)と、25名の博士学生、7 名のポ スドク、1名の技術者が在籍しています(注)。私は断 片化・混合・燃焼チームのクリストフ・アルマーチャ先 生と水素の燃焼不安定性に関する研究などを行ってい ます。先生との打ち合わせなどを除けば基本的に一人 で仕事をしており、来た当初は寂しいようにも思いまし たが、今ではこういう環境も研究所ならではという感じ がして気に入っています。残りあと5 か月ほどとなりま したが、ぜひこの機会に色々なことに挑戦し成長したい と考えています。 卒業生ならびに修了生の皆様におかれましては、近く にお越しの際にはぜひ研究室にもお立ち寄りいただけれ ば幸いです。研究室一同お待ちしています。最後になり ますが、皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。 卒業生ならびに修了生の皆様におかれましては、ご 健勝のこととお慶び申し上げます。当研究室は、燃焼現 象の解明を通じて環境にやさしい燃焼制御技術を開発 することをミッションに、大小さまざまなスケールにお ける燃焼現象に関する研究を行っています。現在のメン バーは、中村祐二教授、関下信正准教授、松岡常吉准 教授、山崎拓也助教、ポスドク3名、秘書1名、博士 学生 1 名、修士学生 17 名、学部生 8 名、特別聴講生(シュ ツットガルド大学)1 名、早期配属学生(B3)1 名です。 当研究室のミッションに含まれる「燃焼制御」という 言葉には、二つの意味が込められています。一つは自 動車や航空機、ロケットなどの原動機の効率改善などを 目的としたエネルギーの有効利用という意味での制御で す。もう一つは火災による人的・物的被害や環境被害の 低減を目的とした意図しない燃焼を抑制するという意味 での制御です。当研究室ではこの2つの方向性から燃 焼研究に取り組んでいます。最近では、ハイブリッド推 進システムの燃焼特性に関する研究や高分子材料の熱 分解速度の予測に関する研究、複合材料の燃焼挙動に 関する研究、固体の燃焼不安定性に関する研究などを 行っています。他にも、燃焼現象の可視化・定量化手 法に関する研究も進めています。研究室の様子や最近 の研究は研究室ウェブサイト(https://ece.me.tut.ac.jp/ wp/)で公開しています。ぜひそちらもご覧ください。 ところで私は、今年の6月から約10か月間、フラ ンスのマルセイユにある非平衡現象研究所(Institut 環境エネルギー変換工学研究室の近況報告 松岡 常吉 注 IRPHÉのウェブサイト(https://irphe.univ-amu.fr/)で公開 されている2023年6月の組織図に基づいていますが、訳語 や情報が正確ではないかもしれません。

14 2024年 第41号 TUT 同窓会報 校正、視覚センサによる木版検査システムの設計、多慣 性駆動系の状態推定と適応制御、ワイパーシステムの最 適動作生成、視覚センサによる農産物選別支援システム の設計、クラウド型定位インフラストラクチャシステムの 構築などがあります。 内山教授と高橋准教授の研究グループは独立に運営さ れ、私は内山教授のグループに所属していますが、研究 室が分散しており、また、コロナ禍でリモートワークが普 及したため、自分の研究テーマに関連する学生以外と対 面で交流する機会が少なくなっている点が残念です。一 方で,朝一の研究室ゼミなどに自宅から参加できるように なるなどの利点も感じています。最近では、一人で研究 活動に集中するときと、他学生と交流するときのメリハリ を付けることで、より有意義な学生生活を送れると思って います。 留学生が多いため、日本人用の日本語でのゼミと、留 学生用の英語でのゼミが行われており、日本人学生も英 語でのゼミへの参加を勧められていますが、研究活動に 忙しいこともあり、ほとんど参加できていないのが現状で す。せっかくの機会なので、学生生活も残り少なくなりま したが、参加を検討したいと思います。 同窓生の皆様におかれましては、機会がございました ら、ぜひ研究室にお立ち寄りいただければと存じます。末 尾ながら、皆さまのご健勝とご多幸を祈念申し上げます。 同窓生の皆さまにおかれましては,ますますご活躍のこ とと存じます。システム工学研究室は 2014 年度に旧生産 システム研究室を引き継ぐ形で設置されました。2022 年 度より、高橋淳二准教授を迎え、現在の教職員は内山教 授、Farrage 研究員(エジプト出身),Mathew 研究員(タ ンザニア出身)、Min 研究員(ミャンマー出身)、百濟研究 員、小嶋事務補佐員の計 7 名になります。学生について は博士後期課程 7 名、前期課程19 名、学部4年生8名、 学部3年生(早期配属)2 名が在籍しています。このうち、 13 名が留学生であり、タンザニア、インドネシア、マレー シア、ベトナム、ドイツ、モンゴルの出身です。写真は本 年9月に博士後期課程 1名(タンザニア出身)、前期課程 2 名(ドイツ、スペイン出身)が修了し、マレーシアの大 学から教員1 名、インターンシップ学生 3 名を受け入れた ときに記念撮影したものです。 研究室では、産業応用を指向した研究課題にシステム 論的な視点で取り組み、企業との共同研究を多く実施し ています。私事で恐縮ですが、椿の実などの地上に落下 した果実を効率的に回収する移動ロボットの最適動作生 成に取り組み、シミュレーションや実験を繰り返して、あ る程度の成果を得ることができました。昨年度に 2 回学会 発表することができ、奨励賞をいただきました。現在、英 語での発表を勧められていますが、悩んでいるところです。 この他のテーマとしては、大型クレーンの最適動作生 成と制御、機械駆動系の省エネルギー制御、屋外清掃ロ ボットの設計と制御、ロボットマニピュレータの最適動作 システム工学研究室の近況報告 博士前期課程2年 石山 拓矢

2024年 第41号 TUT 同窓会報 15 学内近況報告 講師 針谷 達 以上が電気・電子情報工学系の2022年度の近況報 告になります。さて、2023 年度はコロナ明けの新たな 時代に向けて、本系でも新たな人材育成、教育研究の 取り組みが必要になります。今後とも、本系教職員一同、 今まで以上に精進し、社会に貢献できる人材育成、教 育研究活動を行ってまいりますので、同級生の皆様に は引き続きのご支援とご指導を賜れますと幸いです。 卒業生・修了生の皆様におかれましてはいかがお過 ごしでしょうか。新型コロナウイルスの感染が収束し、 コロナ以前の日常に戻ってきたと感じる方々も多いの ではないかと思います。本学でもオープンキャンパス や大学見学などのイベントを対面で実施できるように なり、多くの方々に本学を訪れて頂ける状況がようや く戻ってきました。講義や実験についても、対面講義 が中心となることで、学生間のコミュニケーションが 増え、本学キャンパスの賑わいが戻ってきたように感 じます。 2022 年度は電気・電子情報工学系に 100 名を超える 新しい学生たちが入学・編入してきました。また、教 職員に関するご報告の一つとして、高度専門員の飛沢 健様が令和5年度科学技術分野 文部科学大臣表彰 研 究支援賞を受賞しました。この他にも、多数の教員・ 学生が研究に関わる賞を受賞しております。本系研究 者・学生の活躍を謹んでご報告させていただきます。 次に、2022 年度の先生方の異動についてご報告させ ていただきます。まず、2023 年 3 月末をもちまして穂 積直裕先生がご定年により退職されました。また、高専・ 両技科大間教員交流制度により、沖縄工業高等専門学 校から本学へ着任しておりました藤井知先生が制度期 間満了にともないご退職されました。一方で、2023 年 4月より、情報通信システム分野の准教授として羽賀 望先生が、同分野の助教として小松和暉先生が着任さ れました。材料エレクトロニクス分野には、助教とし て安永弘樹先生が着任されました。また、2023 年 4 月 には、村上義信先生が機能電気システム分野の准教授 から教授へ、崔容俊先生が集積電子システム分野の助 教から准教授へ昇進されました。

16 2024年 第41号 TUT 同窓会報 教職員紹介(令和5年12月31日 現在) 【材料エレクトロニクス分野】 教 授 松田 厚範、内田 裕久、八井 崇、服部 敏明、 武藤 浩行*1 、Lim Pang Boey*2 准 教 授 中村 雄一、河村 剛、加藤 亮*3 助 教 引間 和浩、勝見 亮太、安永 弘樹 【機能電気システム分野】 教 授 滝川 浩史、稲田 亮史、村上 義信 講 師 針谷 達 助 教 川島 朋裕、坂東 隆宏 【集積電子システム分野】 教 授 澤田 和明、石川 靖彦、岡田 浩*1、河野 剛士*4 高橋 一浩*4 准 教 授 関口 寛人、山根 啓輔、崔 容俊、野田 俊彦*4 助 教 Piedra Lorenzana José Alberto 【情報通信システム分野】 教 授 市川 周一、上原 秀幸、田村 昌也 准 教 授 竹内 啓悟、Xun Shao、羽賀 望 助 教 小松 和暉 【研究推進課技術支援係】 技術専門職員 日比 美彦、飛沢 健、赤井 大輔 *1総合教育院、*2グローバルネットワーク推進センター、 *3教育研究基盤センター、*4次世代半導体・センサ科学研究所

2024年 第41号 TUT 同窓会報 17 今後は、BBQ、研究室旅行、冬に忘年会、また不定 期で飲み会や「地元料理を振舞う会」等の開催が予 定されています。 ご多用中のことと存じますが,豊橋にお近づきの際 には,お気軽に研究室へとお立ち寄りください。研究 室一同,心よりお待ちしております。先輩方の貴重な お話しをお伺いできれば幸甚です。 最後になりましたが,諸先輩方の今後の更なるご 活躍とご健康を研究室一同,心よりお祈りしています。 卒業生・修了生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。 皆様方におかれましては、それぞれの職場で大いに ご活躍のことと存じます。 現在、内田研究室は内田裕久教授、安永弘樹助教 のもと、修士学生 6 名、学部生 4 名の計 12 名で日々 研究に励んでおります。 本研究室では、中核となる磁気工学(スピンエレ クトロニクス)や光に関する研究テーマに加え、「医 療支援」に関する研究が加えられました。現在は以 下の6つの研究テーマに分かれて研究に取り組んで います。 1. グラニュラー薄膜の磁気光学効果 2. 分光機能を有する 3 次元眼底検査 3. 高速フルカラー 3 次元ディスプレイ 4. 自動点眼装置の開発 5. 瞬きによるドライアイ検査装置の開発 6. 服薬管理システムの開発 自動点眼装置に関しては、立ち上げてから3年目 ですが、特許出願に至っています。 B4で研究室に所属した直後は新型コロナウイルス の影響で、研究室への入室が制限されてしまい全員 が一堂に会する機会はほとんどありませんでした。コ ロナも落ち着きはじめた 2023 年は、伊勢で牡蠣を食 べたり、新4年生の歓迎会で親睦を深めています。 内田研究室の近況報告 博士前期課程2年 道下 史也

18 2024年 第41号 TUT 同窓会報 誘電・絶縁システム工学研究室(村上研究室) 助教 川島 朋裕 現在、誘電・絶縁システム工学研究室は,4月に昇 進されました村上義信教授のもと博士後期課程3名、 博士前期課程 10 名、学部 4 名の 25 名で日々研究に励 んでおります。 従来の電力機器の電気絶縁系は勿論、近年ではパ ワーデバイス等の分野においても我々の技術が必要に なっています。その中で、先輩方により蓄積された膨 大な電気絶縁に関する知見や計測技術を基盤として、 多種多様な電気絶縁材料の計測・評価技術の確立、更 には高熱伝導率・高絶縁破壊強度を有した新たなコン ポジット電気絶縁材料の開発等を行っております。 昨年まではコロナ渦の影響で研究室の行事も縮小し ておりましたが、2023 年は徐々に以前の状態に戻りま した。夏休みのゼミ合宿、忘年会、新年会などを行い、 研究室の親睦を深めております。 ご多忙と存じますが、豊橋方面に来られる機会があ りましたらお気軽に研究室にお立ち寄り下さい。研究 室一同、心から歓迎いたします。最後になりましたが、 諸先輩方の更なるご活躍とご健康を心よりお祈りして おります。 卒業生・修了生の皆様方におかれましては、ますま すご健勝のことと存じます。2023 年 3 月をもって、穂 積直裕教授が大学をご退職されました。写真は,先生 のご退職に当たり催した記念パーティーの写真です。 約80名の方にご参加いただきました。お忙しい中、 お集まりいただきありがとうございました。まだ、コ ロナ渦の影響が残る中でしたが、久々に同窓生の皆様 とお話しし、懐かしさを感じると共に、皆様のご近況 を伺うことができる貴重な機会ともなりました。改め て、感謝申し上げます。

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