同窓会報No.41

元機械工学系 教授 伊﨑 昌伸 (現在: 奈良国立大学機構 奈良女子大学 特任教授) 楽しかった学生たちとの一コマ、二コマ・。といっても研究 や実験、授業での一コマではない、それはこれまで書き綴って きた。研究室でのハイキングやバイキング、たこ焼きパーティ に鍋パーティ、特に研究室エスニックツアー、車数台に分譲し て出かけた(先生(私)が一番行きたがり、はしゃぐ)スキー (ボード)ツアー、などなど、楽しいことの連続だった。ミャン マーからの留学生が来た、英語は堪能だが、日本語はまだま だ・・・よし、これはいいチャンスだ、研究室の中での会話は 英語だ! ある日言ってみる・・・・大ブーイング、仕方ない、 できるだけ、ということで・・・3年経ったら、ミャンマーから の留学生は上手に日本語を話していた・・・。このミャンマー からの留学生が来てくれたおかげで、エスニックパーティが始 まった、世界エスニックツアーの始まり! ミャンマーから始ま りマレーシア、そしてミャンマー、マレーシア・・・、2ヶ国巡 りのエスニックツアー。ミャンマーで普通に食べているスイート なグリーンカレーは火を拭くような辛さ、食べなきゃよかった・・ とエッセイ風に記述してみました。 ふり帰ってみますと16 年、薄膜材料研究室の竹中英俊先 生、横山誠二先生、笹野順司先生、Khoo Pei Loon先生、 品川勉先生、若月幸子研究員、そして歴代の秘書の皆様、の ご支援・ご協力のおかげでなんとか、2023 年3月31日のこの 日を迎えることができました。また、研究室の学部・博士前期 課程・博士後期課程に所属する学生の皆さんには、よくわか らないことを言う先生についてきて頂き、成果を積み重ねて頂 きました、ありがとうございます。さらに、生産システム工学系 から機械工学系まで、浅学非才の身をもって、なんとか校務 を勤め上げ、この日を迎えることができましたのは、所属の先 生方と事務室の皆様、他系の先生方、大学の事務部門の皆 様のおかげであり、多大なるご指導・ご鞭撻を賜りました。こ の場をお借りいたしまして関係の皆さま方に厚く御礼申し上げ ます。豊橋技術科学大学ならびに先生方・職員の皆様の益々 のご発展とご多幸を祈念しております。 長きにわたりありがとうございました 2023 年3月31日、私はこの日を迎えた。2007 年 10 月1日か ら数えて約 16 年。振り返ってみれば懐かしいような気もする が、どちらかといえば忙しかった、気がする。ちょうど、競争 的研究資金が取れ始めて数年、(競争的研究資金獲得の荊 の)階段を登り始めた時に、私は本学に赴任した。それまで に導入した装置類は持参せず(できず)、実験を行うにしても 装置も何もない、どうやったら、この研究という海原に船を漕 ぎ出せばいいんだ・・・・・と途方に暮れていたら(実は暮れ てなかったが)、なんと“うちの研究室の装置、自由に使ってい いよ”、との言葉を投げかけてくださる先生方がおられた。な んと嬉しいことか、大学は研究室の間の壁が下からは見えな いくらいに高くて、乗り越えるなんてとんでもない、という噂を 信じ込んでいた私は・・・・驚いた。そして、としみじみ感謝 した、ありがたいことです。おかげさまで、なんとか研究の荒 波に船をこぎ出すことができた。研究資金の獲得も順風満帆、 で研究室内の装置は年々増えていった、そして今度は設置す る場所がなくなった。系会議で、“すみません、空いてる部屋 を使わせてください“、すると空いている部屋を使っていいよ (課金はあるけど)、ありがたいことです。研究室の装置も増え、 部屋も増え、そして学生も増えてきた。学生の諸君と一緒に 遊ぶ、いえいえ一緒に実験をしたり、考えたりするのは、楽し い。学生と一緒に授業を作り上げるのも楽しい。 一人旅は楽しい、ゆっくりと景色を見て、ぶらぶら歩いて、 美味しい料理を食べて、ゆっくりと寝る。たくさんでワイワイガ ヤも楽しい、一人の楽しさと大勢での楽しさは比較の対象で はないが、ひとりではできないことができる楽しさ、新たな気 付き、予想外の展開・・・研究室での生活は、ひとりで考え る楽しさと苦しさ、たくさんで乗り越える苦労と積み重ねの強 さ、か。一人でできることは限られている、一人、SPring8 に 行って実験をする、無理。でも、協力すれば、あの超巨大シ ステム(大好きです)で実験して、良い結果が出る(こともあ る)。気づいてみれば、装置類が揃う、嬉しさと楽しさ、に伴 い、3ヶ月毎の進捗報告書と年度末の報告書に追われ続ける 日々がやってきていた。締め切りを気にして必死に報告書を書 き続ける私、そしてそんな時、コンピュータは壊れる、そして呆 然。そして、私はmacに替えた、あのTime Machine(とい うバックアップ機能)を手に入れるために。おかげさまでファイ ルを間違って消してしまっても、ん?どうしたの?慌てなくても大 丈夫。こんな状態の中、学生くんたち、そしてスタッフは、よ くわからない研究とよくわからないことをいう先生(私)を見捨 てることなく、実験に勤しんでくれた、有難いことです、感謝。 退職教員より 2024年 第41号 TUT 同窓会報 9

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