2024年 第41号 TUT 同窓会報 13 de Recherche sur les Phénomènes Hors Équilibre: IRPHÉ)で研修を行っています。せっかくですのでそ の様子をご紹介します。 IRPHÉ はエクス=マルセイユ大学とCNRS(フラン ス国立科学研究センター),エコール・セントラル・ド・ マルセイユが連携して運営する研究所で、燃焼や生物 など様々な複雑系のモデリングと解明を目的としていま す。IRPHÉ には、自己組織化チームなど 7 つの研究チー ムがあり、その中に 36 名の研究員(教員を兼ねる者お よび名誉教授を含む)と、25名の博士学生、7 名のポ スドク、1名の技術者が在籍しています(注)。私は断 片化・混合・燃焼チームのクリストフ・アルマーチャ先 生と水素の燃焼不安定性に関する研究などを行ってい ます。先生との打ち合わせなどを除けば基本的に一人 で仕事をしており、来た当初は寂しいようにも思いまし たが、今ではこういう環境も研究所ならではという感じ がして気に入っています。残りあと5 か月ほどとなりま したが、ぜひこの機会に色々なことに挑戦し成長したい と考えています。 卒業生ならびに修了生の皆様におかれましては、近く にお越しの際にはぜひ研究室にもお立ち寄りいただけれ ば幸いです。研究室一同お待ちしています。最後になり ますが、皆様の益々のご活躍をお祈り申し上げます。 卒業生ならびに修了生の皆様におかれましては、ご 健勝のこととお慶び申し上げます。当研究室は、燃焼現 象の解明を通じて環境にやさしい燃焼制御技術を開発 することをミッションに、大小さまざまなスケールにお ける燃焼現象に関する研究を行っています。現在のメン バーは、中村祐二教授、関下信正准教授、松岡常吉准 教授、山崎拓也助教、ポスドク3名、秘書1名、博士 学生 1 名、修士学生 17 名、学部生 8 名、特別聴講生(シュ ツットガルド大学)1 名、早期配属学生(B3)1 名です。 当研究室のミッションに含まれる「燃焼制御」という 言葉には、二つの意味が込められています。一つは自 動車や航空機、ロケットなどの原動機の効率改善などを 目的としたエネルギーの有効利用という意味での制御で す。もう一つは火災による人的・物的被害や環境被害の 低減を目的とした意図しない燃焼を抑制するという意味 での制御です。当研究室ではこの2つの方向性から燃 焼研究に取り組んでいます。最近では、ハイブリッド推 進システムの燃焼特性に関する研究や高分子材料の熱 分解速度の予測に関する研究、複合材料の燃焼挙動に 関する研究、固体の燃焼不安定性に関する研究などを 行っています。他にも、燃焼現象の可視化・定量化手 法に関する研究も進めています。研究室の様子や最近 の研究は研究室ウェブサイト(https://ece.me.tut.ac.jp/ wp/)で公開しています。ぜひそちらもご覧ください。 ところで私は、今年の6月から約10か月間、フラ ンスのマルセイユにある非平衡現象研究所(Institut 環境エネルギー変換工学研究室の近況報告 松岡 常吉 注 IRPHÉのウェブサイト(https://irphe.univ-amu.fr/)で公開 されている2023年6月の組織図に基づいていますが、訳語 や情報が正確ではないかもしれません。
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