12 2024年 第41号 TUT 同窓会報 イルに発生する誘導起電力を利用して衝撃荷重および 試験体の変形を測定しています。最近は動的な硬度測 定にも測定技術を展開して、衝撃試験機の小形化を 行っています。 以前は硬質の高分子材料の力学的特性について、主 に微粒子の加えることで材料がどのように強化される のかについて研究を行ってきていました。弾性係数だ けでなく、強度、破壊靭性が粒子充填にどのように影 響されるのか、特に粒子がマイクロサイズからナノサ イズに変わったときの影響を明らかにしています。硬 質のガラス状態の材料・複合材料の力学的特性につい て研究を行ってきていましたが、最近ではゴム状の材 料についても粒子強化の研究を行っています。 2023 年度になり新型コロナウイルス感染症の対策の 影響が少なくなり、研究室の行事もコロナ前のように 行うようになってきています。研究室歓迎会、卒業式 お祝い会なども2022 年度末から再開してきています。 コロナ前は宿泊を含む研究室旅行に行っていましたが、 昨年度末に研究室に滞在していたオーストリアの教授 との田原へ日帰り旅行などに出かけるようになってき ています。また、2023 年 10 月に学内の駅伝大会の研 究室として初めて参加しています。 研究室は私の定年退職までの 2025 年度末までとなり ますが、研究室の学生がのびのびと活動できる環境を 提供できればと思っています。 卒業生・修了生の皆様におかれましては、ますます ご健勝のことと存じます。本研究室「機能材料・構造 システム研究室」は竹市 嘉紀 准教授と私とで分かれ て運営されています。この研究室は、ちょうど、機械 システム工学系(旧1系・) 生産システム工学系(旧2系) などがあった課程・専攻・系から改組する最後の年に あたる2009 年 4月に私が本学に着任し発足し、翌年 に改組して機械工学系( 現1系)に引き続き、15 年が 経過しています。2009年から2012年8月まで樋口 理 宏 助教(金沢大学へ転出)が在籍し、2016年4月か ら2020年8月まで石井 陽介 助教(京都大学へ転出) が在籍していましたが、現在は研究室に教授として私 のみが在籍し、事務補佐員の市橋 洋子さんが勤務され ています。昨年度までに研究室から大学院を74 名が修 了し、17 名が学部を卒業して社会に出ています。2023 年 10 月現在、4 名の学部 4 年生、3 名の大学院博士前 期課程 1 年生および 5 名の 2 年生が所属しています。 研究室の主な分野は材料力学であり、特に短時間、 高速現象である衝撃工学および時間および温度依存す る高分子材料・複合材料の力学的特性についての研究 を主に行っています。 センサーを取り付けられないような小形の衝撃体が 衝突するときの衝撃荷重および試験体の変形を非接触 に測定を可能にする技術を数年前に開発して、その応 用の研究を行っています。磁性のある衝撃体が通過す るときに磁場の変化を試験体の近くに置かれているコ 機能材料・構造システム研究室の近況報 足立 忠晴
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