退職教員より 10 2024年 第41号 TUT 同窓会報 豊橋技科大での45年を終えて 柳田 秀記 令和5年3月末をもって豊 橋技科大を定年退職しまし た。松江高専の(多分)3 年 次在学中に高専生のための 大学ができると担任の先生 から聞き、5 年生になってそ れが実現しました。本学に 1 期生としてエネルギー工学 課程 3 年次に編入学し、修士課程修了までの 4 年間を 学生として過ごし、その後本学に教務職員(現在の助 手相当)として奉職することとなりました。 学生時代に所属した本間先生(当時助教授、材料強 度学)の研究室から油圧工学を専門とする市川先生 (教授)・日比先生(助教授)の研究室に移りました が、1・2 年後輩の 2・3 期生の人たちから「柳田セン セイ」と冷やかし気味に時折呼ばれ、緊張しながらも 楽しく教員生活を始められたことが思い出されます。 当時は油圧機器(ポンプ、モータ、バルブ)や油圧 式フリーピストンエンジンに関する研究が中心でし たが、油用静電フィルタ、油圧サーボシステム、電 気流体力学現象、動的摩擦特性、水圧シリンダ、(再 び)油圧ポンプなどへ研究対象を少しずつ広げて行き ました。ご指導・ご助言いただいた学内外の先生方、 そして、その時々の研究を支えてくれた研究室の卒業 生の皆さんのお陰で研究を進めることができ、無事に 勤め上げることができました。 研究活動とは別に、自動車研究部の顧問を縁あって 創部当時から務めました。自動車産業界におられる同 窓生の方はよくご存知と思いますが、自動車技術会が 主催する学生フォーミュラ大会に日本初となるカー ボンモノコックボディーの車両を作り上げて参戦す るなど、本学学生のポテンシャルの高さを実感させて もらいました。この活動も非常に楽しい思い出となっ ています(写真 1)。 退職前後に送別会や祝賀会をいくつか開いて頂き ました。いずれも心温まる大変楽しい時間を過ごすこ とができ、お陰様で心地良い思い出となっています。 流体工学研究室(市川・日比研)の OB が企画してく れた退任記念同窓会(写真 2)では、承継研究室であ る省エネルギー工学研究室の直近の修了生も含めて2 期生以下の多くの卒業生が遠方からも参加してくれ ました。また、自動車研究部の学生さんが開いてくれ た懇親会にも多くの OB・OG が参加してくれました。 私の退職が卒業生相互の親睦にも役立ったものと喜 んでおります。 退職後の4月からは週5日ほど豊橋市や田原市の図 書館に通って過ごしています。昨年度までの研究成果 を論文にまとめる作業と学会の役員としての作業、読 書や情報収集などをしています。また、本学開催の公 開講座などを聴講して楽しませてもらっています。 最後になりますが、学生時代を一緒に過ごした同期 生の皆さん、流体研・省エネ研・本間研のOB・OG の皆さん、自動車研究部のOB・OGの皆さんをはじ め同窓生の皆さんの益々のご健勝とご発展を祈念い たします。 写真1 写真2
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