同窓会報No.40

2023年 第40号 TUT 同窓会報 9 着任のごあいさつ 2022 年 4 月に機械工学系のシステム工学研究室の准教授に着任しました高橋淳二 と申します。出生から高校までを島根県出雲市で過ごし、大学から名古屋に移り、 2010年に名古屋大学にて博士(工)を取得後、筑波大学グローバルCOE研究員、 名古屋大学研究員、青山学院大学助教、鹿児島大学准教授を経て現職に就きました。 これまでに、複数ロボットの協調制御、生体電位信号を用いた代替インターフェー スシステム、産業用マニピュレータによる超精密組み立て、自転車とスマートフォ ンで路面調査をする参加型センシング、移動体の位置を低コストで実現するサーバ・ クライアント型の位置推定システム、などとロボティクスとシステムインテグレーションを中心に様々な研究課題 に取り組み解決してきました。 本学では、システム工学の観点から移動体位置推定の研究を捉えなおし、より広く実世界モデリングの研究とし て Cyber Physical System の社会実装を目指します。特に、運用コストを低く抑えられるというサーバ・クライア ント型位置推定システムの利点を生かし、中小規模の工場や倉庫の自動化に向けた研究に取り組み、また、定位サー ビスのサブスクリプション提供による人物流分析、移動体のトラッキング、ライフログ、行動変容、EBPM、行動 的生体認証による新しいセキュリティサービス、など生活圏での活用も視野に入れ、ロボット技術や IoT 技術を広 く深く社会に浸透させてゆくことを目指しています。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 機械工学系 准教授 高橋 淳二 2022 年 4 月に機械工学系知能材料ロボティクス研究室に助教として着任しました比留 田稔樹です。所属研究室の高木賢太郎教授と共にソフトアクチュエータや制御などに関 する研究をさせていただいています。 出身は埼玉県で、学部 4 年次までは信州大学工学部、修士課程では北海道大学工学 院に所属しておりました。大学は異なりますが、それぞれ研究室配属時の研究テーマは 柔軟構造物の振動制御に関するものでした。修士課程修了後は一度就職し、鉄道会社に て車両修繕管理業務や車両設計業務を担当しており、工業を様々な視点から見つめる機 会となりました。業務を遂行していく中で振動に関する問題にも多く触れることがあり、その分野に関わる専門性をさらに 深め、広く社会に貢献できる形にしたいと考え、退職して北海道大学工学院博士後期課程へ入学しました。博士後期課 程ではソフトアクチュエータを適用した振動制御手法を提案し、柔軟構造物や曲面形状を有する構造物に生じる振動を抑 制することに成功しています。また、対象の振動を励起させてその特性を解析する研究も行っており、ソフトアクチュエー タを応用することで青果物の振動特性を解析し、その硬さを評価できることを実証しました。 ソフトアクチュエータを振動に適用した研究はまだ基礎的な段階であり、ロボティクスとの融合や人間に近いところで有 効に利用できるものが求められています。豊橋技術科学大学ではこの分野をさらに発展させ、人々に役立てるような成果 を生み出したいと考えております。 機械工学系 助教 比留田 稔樹

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