ゲノム光生物学研究室の近況報告 博士前期課程2年 大津 卓人 卒業生・修了生の皆様におかれましては、ますます ご繁栄のことと心よりお喜び申し上げます。さて、本 稿では、豊橋技術科学大学応用化学・生命工学系のゲ ノム光生物学研究室についてご紹介いたします。本研 究室は、分子遺伝学研室 (浴俊彦教授研究室)の広瀬 侑助教の准教授昇任に伴いまして、本年度より新しく スタートした研究室です。広瀬先生から指導受けてい た修士学生2名と、今年度より新たに配属された修士 学生1名、学部学生 2 名の計 5 名の学生でスタートし ました。今では、装置の引っ越しなども一段落し、本 格的に研究活動を始めることができています。 当研究室では、光合成を行うシアノバクテリアや真 核藻類を研究材料として、基礎から応用までの幅広い 研究テーマに取り組んでいます。例えば、シアノバク テリアが様々な色の光を感知する仕組みを、光受容タ ンパク質の構造機能解析を通じて明らかにしています。 また、シアノバクテリアの光合成の集光アンテナの構 造が、環境条件に応じてどのように調節されるのか、 その分子機構の多様性を解明する研究も行っておりま す。最近では、光合成によってガソリン・軽油・重油 に相当する石油を合成することができるハプト藻類に 着目し、その石油の合成機構を明らかにするための研 究を行っています。最後に、次世代 DNA シーケンサー を用いた分析によって船舶に付着した微生物叢を解析 し、汚れの付きにくい船底塗料を選定する手法の確立 にも取り組んでいます。 本年度になり、新型コロナウィルス感染拡大防止に 関する規制が徐々に解除され、対面での研究室セミナー が開催できるようになるなど、従来通りの研究活動が ようやく戻ってきたように感じられます。また、学会発 表もオンライン開催中心から現地での対面開催へと移 行しつつあり、研究成果の発信やディスカッションに も積極的に取り組んでおります。卒業生、修了生の皆 様方におかれましては、豊橋へお越しになる機会がご ざいましたら是非とも本学にお立ち寄りください、心よ りお待ちしております。末筆ながら、皆様の今後のさ らなるご活躍をお祈り申し上げます。 2023年 第40号 TUT 同窓会報 25
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