計算機数理科学分野 石田 好輝 渡辺助手、2 代目の原田助教の助けをかり2 人 3 脚なら ぬ 5 人6脚で行いました。一緒に行った学生さんも今 では高専や大学、企業で活躍されており、当方もご一 緒できたことは光栄であり感謝の気持ちで一杯です。 国際的には、本学着任以前はCMUなど米国の研究 者と研究が多かったのですが、本学着任後は、UKの 研究者と毎年、国際会議で特別セッションを行ったり、 ドイツの TUDの研究者と共同プロジェクトを行った り、ベトナムやインドネシアの博士課程、修士課程の 留学生と共同研究を行ったり、国際会議 ICAICTA へ 参加する機会もいただきました。 現在、世界を席巻する AI 技術は神経系に学んだ AI ですが、当方がまだ入り口にすら立てていない免疫系 に学んだAIは多様性と共生に基づくものです。(詳 細は、拙著 Immunity-Based SystemsとSelf-Repair Networks)対比的に述べると、どちらが優れているか という議論に陥りやすいのですが、生物個体でみるよ うに脳神経系と免疫系は異なる役割をもちつつ、個体 の生存のために互いに欠くべからざる相互依存のシス テムです。 いままさに地球、世界、情報技術科学の転換点です。 コロナパンデミックやデジタル化はそれを一層加速し ています。本学が技術科学研究教育のさらなる拠点と なることを信じております。みなさんのご多幸とご活 躍を祈っております。 京都、奈良と関西から、日本 の技術科学教育の最高峰、本 学へ移り、気が付いたら 25 年 がたち定年を迎えます。少年 時代から人工知能の研究を目 指し 55 年、いまだ入口にさえ 立てていない気持ちです。思え ば、数理工学での取り組みか ら、システム科学のアプローチに転換し、さらに生命 に学んだ複雑系のアプローチで免疫系に基づくAIを サンタフェ研究所で研究していた時、本学の知識情報 工学系(旧 7 系)にご縁をいただきました。再編後は 情報・知能工学系(現 3 系)として情報工学系(旧4 系)も含めより多くの教員、学生さんとご一緒できる 機会に恵まれました。この 25 年は振り返れば、同僚の 研究者、研究室の学生、高専連携プロジェクトでの高 専の教員、学生さんなどと一緒に走った、というより、 進歩の早い情報技術になんとかついていこうとした25 年です。最近は足を引っ張ってばかりなので、また基 礎、理論、思考実験にもどって離散系科学も視野にお き、多様性と安定性に軸を置いた研究を行っていこう と愚考しております。 振り返れば、この 25 年間やってこられたのは、本当 に同僚教員、事務方職員、とくに学生さんには教える ことより学んだことのほうが多く、感謝と尊敬の念し かありません。 高専連携プロジェクトで多くの高専教 員や高専学生さんと「ネットワーク衛星工房」、SSH で 高校教員や学生さんと「ダイアグラム視覚化道場」を 行う機会を得ました。衛星・宇宙分野は今後の日本産 業の再興のキーになりうる分野で、センサー技術、AI 技術、自律ロボット技術など総動員して行うべき分野 であると今でも信じています。「ダイアグラム視覚化道 場」は理系離れの進む少子化世代に、離散系科学の重 要性をまさに視覚的に体得してもらいたいと行いまし た。これらは Systems Ai 研究室(旧 システム科学研 究室)の学生さんと一緒に、また当研究室の初代助手、 退職教員より 2023年 第40号 TUT 同窓会報 19
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