着任のごあいさつ 8 2022 年 第 39 号 TUT 同窓会報 2021 年 4 月に機械工学系計測システム研究室の教授に着任いたしました髙山弘太 郎と申します。出身は農業工学・生物環境工学という農学分野でございますが、機 械工学系に迎え入れていただきました。2004 年に東京大学にて博士(農学)を取得後、 愛媛大学農学部助手に採用され、2017 年より教授(現在、同大学植物工場研究セン ター副センター長)をつとめております。また、2018 年に本学の先端農業・バイオ リサーチセンターの特任教授(現在、副センター長)、2019 年にエレクトロニクス先 端融合研究所教授(現在、先端農業工学グループリーダー)を経て、現在に至ります。 豊橋技術科学大学と愛媛大学のクロスアポイントメントにより、工学と農学が完全に融合した新しい形の教育研究 を推進したいと思っています。 私はこれまで、植物工場などの環境制御型食料生産システムに実装可能な植物診断技術(作物の生育状態を数値 評価する技術)の研究開発を行って参りました。たとえば、私が基礎技術を開発したクロロフィル蛍光画像計測ロボッ トは植物生育診断装置として市販され、また、作物の光合成速度をリアルタイム計測する装置は、本学発ベンチャー 第 2 号の PLANT DATA(株)を通じて有償サービスとして提供され、これらは国内外の植物工場における栽培管 理に活用されつつあります。今後は、機械工学の緻密かつ多層的なモノづくりへの取り組みを農業生産の高度化や 高効率化につなげ、健康的なくらしを支える持続可能な食と農の実現に貢献する計測システムと機械工学を提案し たいと考えています。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 機械工学系 教授 髙山 弘太郎 2021 年 4 月に機械工学系の助教に着任しました岡本俊哉です。出身は富山県で、高校 まで地元で過ごしました。その後、山梨大学工学部機械工学科に進学し、2021 年 3 月に 同大学院で博士号を取得しました。山梨大学では、浮田芳昭先生のもと、マイクロ流体デ バイスに関連する流体制御技術や微細加工技術について学び、現在もその研究を行って おります。 マイクロ流体デバイスは、髪の毛くらいの太さの流路や米粒くらいの大きさの反応容器 などで構成された小さなシステムです。昨今、PCR 法などの分析方法の用語が日常的に 聞かれるようになりましたが、このような化学分析をマイクロ流体デバイス上で実行することで、少ないサンプル量で分析 できたり、より高速で高感度に分析できたりします。しかしながら、従来の技術では、この微細な空間内でサンプルなどを 簡便に扱うことが難しいため、大型で高価な制御装置が必要となってしまい、実用化や普及の妨げとなっています。そこで 私の研究では、より高度で手軽な分析装置の実現と普及を目指し、遠心力を利用した新たな流体制御技術の研究に取り組 んでいます。 博士課程修了直後に助教に着任し、不安の多い中、本学に参りましたが、柴田教授をはじめ教職員の方々の優しいご指 導と、率先して研究に取り組む活発な学生のおかげで、日々楽しく研究を行えています。若輩者ではありますが、本学での 研究・教育に精一杯努めますので、何卒よろしくお願いいたします。 機械工学系 助教 岡本 俊哉
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