28 2022 年 第 39 号 TUT 同窓会報 最後に、「不動産市場・不動産運用に関する研究」では、 都市・地域の特徴を踏まえたうえで、不動産市場の現状 や課題、適切な不動産運用の在り方、環境配慮型住宅な どについて探求します。主にヘドニックモデル、キャッシュ フローモデルを用いた土地や建築物の価値評価や不動産 の投資分析などを行っています。 本年度は、国際地域学会、国際ゲーミング&シミュレー ション学会、日本地域学会、日本環境共生学会、観光経 済経営研究会等で学生や教員が研究成果を発表しまし た。コロナ禍で授業やゼミは対面とオンラインを併用する 形となり、研究室活動においても一同に集まり交流を深め ることがなかなかできませんでしたが、一人ひとり真剣に 研究に取り組みながら、毎日元気に過ごしています。 末筆ながら、新型コロナウィルスの流行は一時落ち着 いていますが、まだ油断できない状況が続いています。 くれぐれもご自愛ください。皆様の益々のご活躍を心より お祈り申し上げます。また、豊橋方面にお越しの際には お気軽にお立ち寄りください。研究室一同心よりお待ちし ております。 同窓生の皆様におかれましては、ますますご健勝のこ ととお慶び申し上げます。 社会システム研究室には 2021 年 12 月現在、博士前期 課程 1 名、学部四年生 4 名が配属されており、渋澤博幸 教授とともに研究に励んでいます。 当研究室では主に、調査、モデル、シミュレーション によるアプローチにより、都市、地域、産業における様々 な社会経済現象や政策の課題を分析し、基礎理論の構 築と方法論の開発を行っています。近年は主に以下の研 究テーマに取り組んでいます。 まず、「コロナによる観光の経済的被害と回復状況に関 する研究」では、公的統計やアンケート調査をもとに、コ ロナによる観光業の経済的被害と回復状況を探求し、観 光消費の低迷と回復がもたらす経済的な影響を検討しま す。また緊急事態宣言、Go to トラベルなどコロナ対策に おける課題や政策効果の分析を行います。 次に、「災害レジリエンスの経済的な影響評価に関する 研究」では、地震・津波・洪水・噴火等の自然災害がも たらす経済的な影響を明らかにします。統計、アンケート 調査、経済モデルなどを用いて、災害の経済的被害とレ ジリエンス(防災力、回復力)を評価するとともに、防災、 復興政策の効果や技術進歩の影響の評価を検討します。 そして、新たな課題として脱炭素社会に向けて「再生 可能エネルギーと未来ビークル普及の経済的インパクト に関する研究」に取り組んでいます。これから日本では 枯渇性資源エネルギーから地球環境に対して負荷の少な い再生可能エネルギー(太陽光、水力、風力、バイオマス) へのシフトが期待されています。環境配慮型のビークル (電気自動車)の普及も拡大しつつあります。本研究では、 環境経済モデルを用いて、新エネルギーや未来ビークル の普及が及ぼす経済的な影響を明らかにします。 社会システム研究室の近況報告 建築・都市システム学系 助教 崔 明姫
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