着任のごあいさつ 2022 年 第 39 号 TUT 同窓会報 21 2021 年 9 月に情報メディア基盤センターに助教として着任しました小林です。2021 年 6 月に本学で博士の学位を取得後、2ヶ月間を研究員として過ごしたのち助教として着任する ことになりました。 専門は機械学習の基礎理論で、統計学や情報理論などの関連分野の知見に基づいて学 習アルゴリズムの性能評価や理論構築をしています。機械学習とはコンピュータ上において、 既知のデータより学習を行い、データの持つ潜在構造の抽出や未知データの予測を行う手 法を指します。コンピュータ上における" 学習 " は数学的にはある関数の最適化問題といい かえることができます。ある関数(損失関数)の設計は機械学習法の根幹を成す問題であり、 その選び方によっては学習性能を左右します。情報理論の観点からこの損失関数を設計す ることで、機械学習法の構築や拡張を行っています。 また、現在は情報メディア基盤センターの一員として日々教えてもらいながら業務を覚えている最中です。本稿執筆時点で は 4ヶ月が経過し、ようやく少しずつ慣れてきました。 まだまだ、未熟な点もあると思いますが、情報メディア基盤センター所属の教員として早く一人前に仕事ができるように頑張っ ていきます。どうぞよろしくお願い致します。 情報・知能工学系 助教 小林 真佐大 2021 年 4 月に着任いたしました、田村秀希です。「ヒトがどのようにモノを見てい るのか」という視覚科学の研究で、2019 年 3 月に本学で学位を取得しました。その後 は 2 年間、自動車会社でモビリティ関係の企画・研究開発に従事しておりました。こ の度、縁あって、母校で教鞭を取る立場となったことに大変嬉しく思います。現在は、 認知神経工学研究室にて、ヒトの認知行動および脳活動・瞳孔反応等の生体信号か らヒトの認知処理の研究をしております。これまでの経験・ノウハウを組み合わせて、 新しい独創的な研究領域を切り拓いていこうと思います。よろしくお願いいたします。 情報・知能工学系 助教 田村 秀希 2021 年 4 月に情報メディア基盤センターおよび情報・知能工学系に着任しました五十幡 と申します。出身は茨城県結城市で、早稲田大学に学生として9 年、助手および研究員と して8 年在籍しました。早大での所属は化学系でしたが、技科大では情報系の所属となり ました。日々の研究で学生とディスカッションしていると、分野の違いによる考え方の違いを 感じることがあり、興味深く思います。 専門は理論化学、計算化学であり、量子化学計算に関する理論やプログラムの開発と、 応用研究を行ってきました。量子化学計算では原子、分子、それらの集合体などのミクロな 系を計算対象とし、量子力学の基礎方程式であるシュレーディンガー方程式を解くことでそ れらの性質を解明、予測します。これまでに電子と原子核のシュレーディンガー方程式を同 時に解くことで水素を重水素に置換したときの影響を明らかにする、量子力学と特殊相対性理論の要請を満たすディラック方 程式を解くための方法論を開発するなど、様々なテーマに取り組んできました。 量子化学計算以外にも、ニュートン方程式を解くことで分子の動的および統計的性質を明らかにする分子動力学シミュレー ション、固体物理学の分野で発展してきた第一原理計算など、様々な計算化学の手法が存在します。また、計算化学は高性 能計算(HPC)を利用する分野の一つであり、近年では機械学習を用いたデータ科学的研究や、量子コンピュータで計算す るためのアルゴリズム開発も盛んになっています。今後はこれらを駆使して新たな方法論の開発と応用研究を並行して行いた いと考えています。 情報・知能工学系 准教授 五十幡 康弘
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