2022 年 第 39 号 TUT 同窓会報 17 同窓生の皆様には、ますますご健勝のこととお喜び申し上 げます。 本年度も、情報・知能工学課程への高等専門学校からの 編入志願者は募集人数を大幅に超え、優秀な学生が多数 入学してくれました。また、1年次入学者の進学希望者も多く、 学部生は全ての学年で定員を超えています。人工知能や機 械学習への期待、データサイエンスを身につけた人材への 期待、ゲームやバーチャルリアリティの普及がその背景にあ るのでしょう。 新型コロナ感染症による入構制限は2020 年度に比べると 2021年度は随分緩和され、研究室での研究や実験も一部 可能となりました。前期は講義の半分程度を対面で行うこと が可能となり、感染者数の激減により後期は対面講義も実験 室での研究も注意しながら行うことが可能となりました。12月 23日には、卒業研究発表会を例年通り大教室で行うことが できました。一方で、学生の多くは自宅で研究を行うことが 基本の生活スタイルになり、大学で教員や研究室の他のメン バーと会ったり、雑談したりする機会が少なくなっているよう です。これが今後も続くのか、また昔のように賑やかな研究 室が戻ってくるのかは全く分からないところです。 東フィンランド大学とフランスのジャン・モネ大学、ベルギー のKUルーヴェン大学と本学による「近未来クロスリアリティ 技術を牽引する光イメージング情報学 国際修士プログラム (IMLEX)」が 2020 年に始まり、今年度は学生が本学に来 るフェーズに入りました。これは、最初の半年はフィンランド、 次の半年はフランスあるいはベルギー、そして最後の1年間 は日本で行い、3つの学位が取得出来るプログラムです。し かし、学生は未だ日本に入国できていません。一方で日本人 学生はヨーロッパに留学し講義を受けています。日本だけが 学生の教育機会を奪っている状況です。 さて、本年度も数名の教員の異動がありました。2021年 4月に田村秀希助教が南哲人教授の研究室に着任しました。 田村先生は本学の卒業生でもあり、企業研究所での経験を 経て、本系に教育・研究を担うために戻ってきました。2022 年 2月には、廣中詩織助教が梅村恭司教授の研究室に着 任しました。廣中先生は、本学の博士後期課程在籍時から 大樹プログラムにより特任助手・特任助教として研究に従事 しており、今後は教育にも貢献して頂きます。また、2021年 6月末で吉田光男助教が退職し、筑波大学ビジネスサイエ ンス系に准教授として転出しました。2021年 9月末には高 橋茶子助教が山形大学大学院理工学研究科に転出しまし た。2022 年 3月末には和佐州洋助教が退職し、法政大学 理工学部応用情報工学科に講師として転出します。そして、 2022 年 3月で石田好輝 教授が定年退職されます。 この2 年間の新型コロナ感染症の影響では良いこともあり ました。学内外の会議やシンポジウムの多くが中止となり、ま たオンライン開催となったことにより、教員には時間的余裕が できて、学生の指導や研究を行う時間が増えました。そして、 勤務時間も随分改善されました。大学に遅くまで残っている 学生も随分減ったと思います。つまり、外からの影響で、必 要性の低いものが淘汰されたと言えます。この点は、今後も 引き続き継続するべきであり、学生も教員も健康で幸せな生 活ができるようにしたいと思います。 一方で、大規模な装置を用いる研究や人を対象とする 実験が厳しく制限されたことによる損害は大きいものです。 2020−2021年は例年よりも論文出版数が増えましたが、こ れは過去の研究成果を論文化する時間が増えたことによりま す。現在は、研究成果やデータが足りない状況が起こりつつ あります。今後は、健康な生活と研究教育のバランスをとり、 加速して前に進む必要があります。 新型コロナ感染症の流行は落ち着いてきました。しかし、 今後も予想出来ない自然災害の発生や状況・環境の変化、 そして人間観や生き方の変化があることでしょう。情報・知 能工学系は、このようなさまざまな状況や環境の変化に対し て、常に新しい視点と方法を活用して対応していく所存です。 同窓生の皆様方におかれましては、引き続きご支援とご鞭撻 をよろしくお願いしたく存じます。 学内近況報告 系長 北崎 充晃
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