同窓会報No.39

16 2022 年 第 39 号 TUT 同窓会報 卒業生・修了生の皆様、いかがお過ごしでしょうか。皆 様におかれましては、ますますご健勝にてご活躍のことと 存じます。 ナノ電子オプトエレクトロニクスグループは、2020 年度 に八井崇先生によって発足されました。八井崇教授、勝 見亮太助教の教員2 名、および学生 7 名(博士前期課程 2 名、学部 5 名)で構成されております。 現在では様々な、物質をナノスケールまで小さくし、そ こに情報を蓄え処理する技術であるナノテクノロジーの開 発が行われています。このようなナノ寸法の世界において、 ナノスケールに局在した光である「近接場光」の誕生によっ て光技術は進展を遂げてきました。本研究室では、この 近接場光の研究を行っており、ナノスケールにおいて初め て見える現象や可能となる概念などを探索し、そしてそれ を制御可能とすることで、自然を超えたデバイスを実現し、 省エネルギー化、そしてQOLの向上を目指しています。 テーマの一つとして、近接場光加工を駆使した量子セ ンサーの研究を行っております。近接場光を了することで、 原子レベルでの表面平滑化が実現します。光デバイス、 電子デバイス表面が平滑化されることでデバイス性能が 飛躍的に向上し、エネルギー自給社会の実現を目指してい ます。 また、高効率シリコン受光器の開発をしています。近接 場光勇気の効果をもとに、Si 光検出器の高効率化とSi の バンドギャップ波長よりも長波長帯での広帯域かつ高効率 光吸収が可能となります。本技術開発によって、肌水分量 や脂質計測などのセルフケア分野やPOCT分野での利用 も期待されています。 さらには、エネルギー環境問題の解決を目指しています。 近接場光を利用することで従来反応が難しい光化学反応 を促進することが可能になります。この効果を利用して、 太陽光と水による高効率水素発生、二酸化炭素削減、人 工光合成などのテーマに取り組んでいます。 本年度からは近接場光を利用したウイルスの不活性化 の研究なども行っております。 昨今のコロナウイルスへの対策を踏まえて、研究活動の 進め方が大きく変わりました。研究室全体ミーティングを Google meetを使用して行うことで三密を避けるなど、様々 な工夫を行っております。 コロナ禍であるため、新入生歓迎会や忘年会、そして 研究室旅行などの様々な研究室イベントが行えていない現 状に少々寂しく感じております。一日も早いコロナ禍収束を 願っております。 本研究室の活動の詳細について、研究室のウェブペー ジ(https://lux.ee.tut.ac.jp/)にて公開されております。研 究成果や近況についてより分かりやすく公開させておりま すので、是非ご覧ください。このような状況下でも日々の 研究活動が行えることに我々は、心から感謝致しますとと もに、より一層、この研究室が活躍できますよう日々努めて 参りたいと存じます。 末尾ながら、皆様方の今後の更なるご活躍とご健康を 研究室一同、心よりお祈りしています。 ナノ電子オプトエレクトロニクスグループ 電気・電子工学専攻 修士1年 平松 航

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