同窓会報No.38

12 2021 年 第 38 号 TUT 同窓会報 標にしています。現在はカメラを用いたロボットの自己 位置推定や、打音検査、窓清掃などのロボットを用いた 壁面作業の研究が行われています。 2020 年度に、東北大学から武田 洸晶助教が本研究室 に着任され、介護者の代わりに身体動作を支援する福 祉ロボットの研究が進められています。肘おきに昇降機 構を有した歩行器型ロボットで起立、着座、歩行の支援 を実現し、少数のセンサを用いた使用者の状態推定結 果に応じてこれらの支援を適切に行うことに取り組んで います。また、適切なコミュニケーションによって直接 体に触れるロボットであっても不安感なく使用できるこ とを目指しています。 2020 年度から本年にかけてはコロナウィルスの影響 で、例年行っていた新入生歓迎会などの研究室行事が できなくなり、研究活動もオンラインを多く取り入れて 行ってきました。様々な制限がかかる昨今の情勢ではあ りますが、今後もより一層の努力と研鑽に励む所存です。 最後になりましたが、卒業生・修了生の皆様の益々のご 活躍をお祈り申し上げます。 卒業生・修了生の皆様におかれましては、ますますご 健勝のことと存じます。現在ロボティクス・メカトロニ クス研究室では佐藤 海二教授、佐野 滋則准教授、武 田 洸晶助教の下、修士 2 年 6 名、修士 1 年 8 名、学部 4 年 10 名が日々様々な研究に励んでおります。 本研究室では、精密メカトロニクス・ロボット、建築 ロボット、福祉ロボット、およびその要素技術の研究に 取り組んでいます。 精密メカトロニクス分野では、機械・アクチュエータ 技術と計測制御技術を融合し、実用性を重視した高い 利便性と高性能を両立するメカトロニクス・ロボットの 研究や、感温磁性体とレーザ、永久磁石を組み合わせ たアクチュエータ・小型マニピュレータシステムの開発 を行っています。感温磁性体は温度変化によって磁気 特性が変化する材料で、これを用いることで簡易な構 造で、完全ワイヤレスで駆動・制御可能なアクチュエー タを構成できます。そしてこの特性を利用した小型マニ ピュレータシステムの実現を目指しています。 建築ロボット分野では、ベルトによって壁面に吊り下 げられる壁面昇降ロボットの開発を行っています。本ロ ボットは、多くが高所作業であり危険を伴う建築物外壁 面作業を人の代わりに行い、安全性を向上することを目 ロボティクス・メカトロニクス研究室の近況報告 井上 晴渡

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