同窓会報No.38

2021 年 第 38 号 TUT 同窓会報 13 3 つ目は、空力音の発生メカニズムの解明・制御を目 的とした研究です。新幹線などの輸送機械やファンなど の流体機械で発生する空力騒音の抑制に取り組んでいま す。また、熱音響効果を利用し騒音からエネルギーを回 収する研究にも取り組んでいます。 4 つ目は、流体の蒸発潜熱と多孔体の毛細管力を利用 した熱輸送デバイスであるループヒートパイプ(LHP)の 研究です。宇宙機の熱制御にも利用されるLHPの高性 能化を目指し、多孔体の試作や気液界面挙動の観察を 行っています。また、太陽熱を利用したLHPの開発にも 取り組んでおります。 例年研究室旅行や歓送迎会などの行事を開催していま したが、昨年度より続くコロナ禍のため自粛しております。 楽しみは減ってしまいましたが、ゼミや月例報告会をオン ラインで実施するなど、感染症対策と研究室の機能維持 の両立に取り組んでいます。なかなか先の見通せない時 代ではありますが、「省エネルギー」はコロナ後の時代で も変わらない世界の課題と考え、より一層研究に取り組ん でいく所存です。 末筆ながら、卒業生・修了生の皆様の益々のご活躍を 祈念しますと共に、今後とも研究室にご支援下さいますよ うお願い申し上げます。 本学卒業生並びに修了生の皆様におかれましてはお元 気でご活躍のことと存じます。省エネルギー工学研究室 の近況についてご報告申し上げます。 2021 年度の本研究室では柳田 秀記教授、横山 博史准 教授、西川原 理仁助教のもと、博士前期課程 12 名、学 部生 9 名が在籍し、モンゴル・ベトナムからの留学生もい ます。西川原助教は 2019 年から約 2 年間、米ウースター 工科大学に留学され、同大学にて海外実務訓練を行った 学生もおりました。 本研究室では研究室の名称でもある「省エネルギー」 を軸として流体工学と熱工学に関連する研究テーマを 扱っており、現在大きく分けて 4 つのテーマが進行中です。 1つ目はフルードパワー機器の特性解明を目的とした研 究です。自動車に用いられる自動変速機用オイルポンプ の内部挙動を解明し、燃費向上を目指しています。また、 油圧システムと比べ環境汚染の少ない水圧駆動システム の国際標準化に向けて、水圧シリンダの摩擦特性・耐久 性を調査しています。 2 つ目は、流体に電気力を作用させ、流体の輸送や集 塵を行う電磁流体力学(EHD)に関する研究です。小型・ 軽量な流体輸送システムを実現するため、最適な電極形 状・流路形状を実験・数値解析の両面から調査しています。 省エネルギー工学研究室の近況報告 與座 克明

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