同窓会報No.37

2020 年 第 37 号 TUT 同窓会報 31 コンの技術研究所と共同で実施する実験的検討と、齊藤 教授が作成した地震応答解析プログラムSTERA_3Dを 活用した解析的検証を並行して進めています。また、学 生と共に最新の超高層建物建設現場を見学させていただ き、提案技術の社会実装に向けた課題を検討しています。 杭基礎構造の終局耐力評価では、地盤-杭-建物連 成系を対象とした極大地震下の強非線形挙動や終局状態 を明らかにし、建築基礎構造の二次設計法構築に資する データの収集・整備・検討に努めています。研究は、大 型振動台や遠心力載荷装置を活用した実験的検討を主と し、学外の実験施設利用も積極的に行っています。 本研究室の研究業績や活動の一部は、下記ホームペー ジ (http://www.rc.ace.tut.ac.jp/saito/index.html )で紹 介していますので、ぜひご覧になってください。 また、2019 年 12 月10日には、齊藤 教授がセンター長 を務められている本学の安全安心地域共創リサーチセン ター(CARM)主催のシンポジウム(参加者数:250 名) が開催されました。今年度は「巨大地震と台風の複合災 害に備える」をテーマに、早稲田大学 濱田政則 名誉教 授ほか 2 名の先生方にご講演いただきました。 末筆ではございますが、同窓生の皆様におかれまして は、豊橋にお立ち寄りの際、お気軽に研究室をご訪問下 さいますようお願い申し上げます。皆様の今後ますますご 活躍を、心よりお祈り申し上げます。 同窓生の皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し 上げます。 2019 年 12 月現在、地震災害工学研究室には博士後期 課程 3 名、博士前期課程 6 名、学部 4 名の学生が配属 されており、齊藤大樹 教授とともに研究に励んでいます。 近年は研究室の国際化が進み、配属学生 13 名中、9 名 を留学生(出身国:アフガニスタン、エジプト、モロッコ、 インドネシア、マレーシア、東ティモール、モンゴル)が 占めております。 現在、研究室では主として「防災拠点建物の地震後残 存耐震性能即時評価」、「新型ダンパーを用いた超高層建 物の制振技術開発」、「杭基礎構造の終局耐力評価」の 課題に取り組んでおります。 防災拠点建物の地震後残存耐震性能即時評価では、 東三河地域の市庁舎や消防署に地震計を設置し、地震時 の揺れのデータから建物の損傷度や残存耐震性能を即時 評価するシステムを開発しています。研究では、地域自 治体職員の方々が参画されている東三河地域防災協議会 などとの連携を通じて、システムの被災時運用に関する 検討を進めています。 新型ダンパーを用いた超高層建物の制振技術開発で は、動滑車を活用した制振機構を提案検証し、将来、南 海トラフ地震で問題となる長周期地震動に対する超高層 ビルの地震応答低減を目指しています。研究では、ゼネ 地震災害工学研究室の近況報告 建築・都市システム学系 助教  林 和宏 研究室だより 建築・都市システム学系

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