同窓会報No.37

16 2020 年 第 37 号 TUT 同窓会報 同窓生の皆様には、ますますご健勝のこととお喜び申 し上げます。 日本政府による「Society 5.0」というキャッチフレーズ も浸透してきた中、デジタル革命を担う情報・知能工学 系の教育への期待が高まっているからでしょうか、本年 度も昨年度と同様に、本系への編入学志願者と一般入試 からの配属学生は多くの数となりました。 平成 22 年度の本学の再編以来、本系では他系と同様 にコース制に基づく教育を実施してきましたが、学生から 聴取した意見を参考にしながら教員間で慎重に議論した 結果、学部でのコース制は廃止し、大学院のコース制は 内容を刷新する事にしました。これにより、学部教育では コース選択科目が廃止され、様々な専攻から入学してく る本学学生に適した、学習計画への柔軟性を再編前の様 に復活させました。一方、大学院においては新たな名称 (コンピュータ・データサイエンスコースとヒューマン・マ シンインテリジェンスコース)により、各コースの修学内 容がより明確化されました。 昨年度には、文部科学省が推進する「数理及びデータ サイエンスに係る教育強化」の協力校 20 大学の一つに 選定されました。これは、データサイエンスに関する教育 を本学の全系に対して実施するものであり、情報メディ ア基盤センターと本系の教員が中心となり来年度からの 開講に備えたE - ラーニング教材を鋭意開発中です。こ れに伴い、本系のソフトウェア開発に関連する演習科目も、 時代に即した内容へと変更しました。 本学ではグローバル技術科学アーキテクト養成コース の創設など、国際的な教育制度の充実化を進めています が、本系においても様々な国際的取り組みを実施してお ります。定例行事としては、インドネシアのバンドン工 科大学と Ahmad Dahlan 大学との共催による国際会議 (ICAICTA2019)をインドネシアのジョグジャカルタ市で 開催しました。今回も昨年度と同様に、海外での研究発 表を早期に体験してもらうために、学部 3 年次の学生に 高専時代の研究内容をポスター発表する機会を設け、3 名を系の予算で派遣しました。来年度は会議が発足して 以来初めての日本開催が予定されていますので、皆様に もご参加頂ければ幸いです。また、東フィンランド大学と の協定によるダブルディグリー・プログラムは本年度から 開始され、東フィンランド大学からは 3 名、本学からは 5 名の学生がプログラムに第 1 期生として参加し、新たな 環境で勉学に勤しんでいます。これに加えて、本年度に は文部科学省「大学の世界展開力強化事業~日 - EU 戦 略的高等教育 連携支援~」に採択され、欧州の 2 大学 (フランスのジャン・モネ大学とベルギーのルーヴェン・カ トリック大学)も参加する、英語での講義による先進的な 修士課程教育プログラムの準備を進めています。 さて、本年度も数名の先生方の異動がありました。本 学の教育研究に長年貢献されてこられました高橋由雅 教 授が定年で退職されましたが、現在も非常勤講師として ご尽力を頂いております。また、本年 3 月には桂樹哲雄 助教が農研機構に転出され、9 月には遠藤結城 助教が筑 波大学に戻られました。一方、本年 4 月には日根恭子 助 教が、5 月には北岡教英 教授が新たに着任されました。 令和の時代においても情報技術の社会生活や産業に対 する影響力は強まり続ける事が予想され、新たな世界観 や価値観で社会を切り開いていける人材が求められてい ます。ゆえに情報・知能工学系では以上に紹介しました 様に、国際的な視野で時代の要請を踏まえながら、研究 教育環境の発展に取り組んでおります。同窓生の皆様方 におかれましては、引き続きご支援とご鞭撻をよろしくお 願いしたく存じます。 学内近況報告 系長  栗山 繁

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