同窓会報 No.36 2019

2019 年 第 36 号 TUT 同窓会報 33 長年、本学で教育・研究に尽力された宮田譲先生が 2018 年 7 月18日にご逝去されました。この同窓会報で、 同窓生の皆様に大変悲しいご連絡をしなくてはならないこ とが残念でなりません。 先生の活動の場は我々と大きく重なるものですから長 い交流がありましたが、2010 年の大学の組織再編の際に、 総合教育院から正式に移られ、建築・都市システム学系(旧 建設工学系)の長屋の一員になりました。これまで、教育・ 研究活動を通じての本学、そして社会への多大な貢献は さることながら、本系の運営にもご尽力いただきました。 特に 2016 年 4 月から2018 年 3 月までの 2 年間は、系長 を務めていただきました。実は、ご病気のことを知らされ たのは丁度その任期が始まろうとしていた時でした。長 期にわたって治療が必要になるということで、我々は正直 動揺いたしました。しかし、先生ご本人はいささかの迷 いも見せずに、任期を全うするとおっしゃられました。任 期中は、治療が終った翌日でも授業やゼミ、学内の諸会 議に出席され、毅然として職務を全うされました。今にな りますと、我々はあの時先生に甘え過ぎたのではないかと、 繰り返し後悔しているところです。しかし、そのころの先 生はむしろ闘志が漲っているようなご様子で、先頭に立っ て我々を牽引していただきました。 我々は学内にあっても所帯が小さいものですから、社 会や学内に吹く冷たい風をまともに受けることがありま す。小さいゆえの悲哀のようなものを常に感じています。 その中にあって、真に最後の力を振り絞るように、先頭に 立って寒風に向かっていただきました。ご自身の苦しい状 況にあっても乱れず、凛とした立居ぶるまい、私には到 底まねできないものですが、我々一同、苦しいときにこそ 先生の在りし日の姿を思い出し、勇気をもって歩を進めて まいりたいと思っております。 系内では先生の後を継ぐ者も逞しく育っています。次 世代を担う若手もたくさんいます。そして、我々の結束力 は常日頃から他系に羨まれるほどです。少子高齢化の社 会事情、環境問題や経済の波が我々に押し寄せています。 近い将来には災害に直面し、我々の存在意義が問われる 事態にもなるでしょう。その中に合っても、我々建築・社 会システム学系は知恵を絞り、勇気をもって行動し、社 会に貢献し続けることをお誓いいたします。 宮田先生は学内で誰よりも多くの授業を担当されてきま した。たくさんの学生、留学生の面倒を見られ、論文を たくさん書かれてきました。長い間ご苦労様でした。本 来であれば、このような挨拶、お礼を申し上げるのは、 2019 年 3 月に定年退職をお祝いする席での予定でした。 返す返すも早すぎるご逝去が悔やまれます。これからは、 ご家族はもちろんのこと、我々のことも見守っていただき たいと思います。心よりご冥福をお祈りいたします。そし て、ありがとうございました。 宮田譲先生は 2018 年 7 月18日付けで、以下の通り、 叙位・叙勲を受けられましたことをここにご報告申し上げ ます。 ・位階:従四位 ・勲章:瑞宝小綬章 宮田譲先生のご逝去について 建築・都市システム学系 系長  三浦 均也

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