同窓会報 No.36 2019

2019 年 第 36 号 TUT 同窓会報 29 生命機能科学研究室(旧称:生命構造機能科学研究室、 生化学研究室)の卒業生・修了生の皆様におかれまして は、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。 本研究室は現在、吉田祥子講師とともに博士 1 年 1 名、 修士 2 年 3 名、修士 1 年 3 名、学部 4 年 4 名、企業か らの研究員1 名、学部 2 年 1 名の計 13 名で日々研究に 勤しんでおります。12 月にはニューヨーク市立大学の大 学院生も参加します。 研究活動については、自閉症スペクトラム障害(ASD) に関連した小脳発達の解明を目的とした「ASD 小脳発達 チーム」、ガン細胞および筋肉細胞、皮膚の細胞・組織の 構造や物性を調査する「超音波チーム」、昨年度から発 足した小脳発達における炎症と腸内細菌叢の相関を示唆 する「腸内細菌チーム」と、主に 3 つのチームに分かれ て研究しています。小脳発達チームではこれまでASDモ デルラットの作製にバルプロ酸(VPA)を用いていまし たが、これ以外にも除草剤として使用されるグリホサート や炎症誘発物質のリポポリサッカリド(LPS)など様々な 作用機序をもつ化学物質を利用しています。 本研究室に配属する学生に対して吉田先生が必ずする 質問があります。「君はネズミを切ることができそうか。」 -小脳発達を観察するにはどうしても動物の命が関わっ てきますが、先ほどご紹介した、超音波と腸内細菌のチー ムでは必ずしも動物を切らなければいけないわけではあり ません。そして、超音波チームは本学の電気・電子工学 系の研究室と、腸内細菌チームはアメリカの大学・研究 機関さらには愛知県内食品企業との共同研究の上で進め ています。小脳にとどまらない、様々な領域へのアプロー チは私たち学生にとっても生命機能科学を幅広く学べる チャンスをもたらしてくれます。また研究室のゼミだけで なく、神経科学学会をはじめとする学会でも研究成果を 発表し、今後の研究に活かせるように各々が懸命に取り 組んでいます。 本研究室の情報につきましては、Web site(http:// rodent.ens.tut.ac.jp/)にて公開しておりますので、お時間 のあるときに一度ご覧いただければ幸いです。現在のメ ンバーや研究活動などが掲載されています。 卒業生、修了生の皆様方におかれましては大変お忙し いことと存じますが、豊橋へお越しになる機会がござい ましたら研究室にお立ち寄りください。その際に、在学中 や就職活動、卒業・終了後の貴重なお話を拝聴できるこ とを楽しみに、研究室一同、心よりお待ち申し上げており ます。 末筆ながら、皆様の今後のさらなるご活躍をお祈りい たしております。 生命機能科学研究室の近況 博士前期課程2年  西川 ちひろ

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